
「ベネフィット社宅って何?」「本当に手取りが増えるの?」「会社側は何を準備すればいい?」と気になっている総務・人事担当者向けに、まず最初に全体像をまとめます。
ベネフィット社宅は、従業員が住んでいる賃貸住宅を借上社宅として扱い、会社と従業員の負担の形を見直す福利厚生サービスです。所得税では、会社が使用人から税務上の賃貸料相当額の50%以上を受け取っていれば、社宅貸与による経済的利益が給与として課税されない取り扱いがあります。一方、社会保険では住宅の貸与を現物給与として換算するため、所得税と同じ計算ではありません。社内規程や労働条件の変更を含め、税理士・社会保険労務士などの専門家へ確認しながら進めましょう。
また、よくネックになりがちな社宅管理も、社宅ラクっとNAVI側のサポートで効率化しやすく、スタンダードの社宅管理費用は1戸あたり月500円(税別)と案内されています。ゴールドやプラチナの管理プラン、導入初期費用、名義変更事務費用、オプション費用もあるため、導入前に自社の利用条件で見積もりを確認しましょう。
この記事で分かること
- ベネフィット社宅の仕組み(なぜ手取りUP・社保負担の軽減につながるのか)
- 導入メリット・デメリット(会社側/従業員側で起きやすい変化)
- 導入フロー(社宅規程・給与規程の対応、説明会、労使協定など)
- 今の賃貸を社宅にできるか(名義変更の流れと注意点)
- 費用感とサポート範囲(社宅管理500円/戸の内容、相談先の考え方)
「自社に合うかどうか」を判断しやすいように、先に仕組みと条件を押さえたうえで、進め方と注意点をわかりやすく整理していきます。

取材件数約200件、MIXIや白鶴酒造などを担当し、18年以上のWebマーケティング歴を持つ。Google認定資格やITパスポートを活かし、多数のメディアで専門性を発揮しながら多角的なコンテンツ制作に従事している。
この記事の目次
採用強化、離職防止につながる「ベネフィット社宅」
▲「ベネフィット社宅」は従業員、企業の総務人事、そして経営陣の三方良しの制度である
「ベネフィット社宅」は、株式会社リベロが2023年7月に提供を開始した福利厚生の社宅サービスです。従業員が個人で契約している賃貸住宅を法人契約の借上社宅へ切り替え、会社が社宅利用料を徴収する仕組みで、社宅制度がない企業も導入を検討できます。
所得税法なども絡む内容なので少し複雑ですが、分かりやすく説明していきたいと思います。
メリット1:社員の手取りアップ・会社のコストダウンが同時にかなう

「ベネフィット社宅」は、所得税法を上手に活用したサービスです。
国税庁が公式サイトで公開している、税に関する質問に答えた「タックスアンサー」には、次のような記述があります。
使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃(賃貸料相当額の50パーセント以上)を受け取っていれば給与として課税されません。
※国税庁HP No.2597より。令和7年4月1日現在法令等
所得税では、会社が使用人から受け取る社宅料が税務上の賃貸料相当額の50%以上であれば、賃貸料相当額と受取家賃との差額は給与として課税されません。賃貸料相当額は実際の家賃の50%ではなく、建物・敷地の固定資産税の課税標準額や床面積を使って計算します。社会保険では住宅の貸与を現物給与として換算し、金銭による報酬と合算して標準報酬月額を求めるため、手取りや会社負担の変化は従業員ごとに確認が必要です。
続いて、手取りや社会保険料の効果を確認するときの前提と注意点を整理します。
手取り・社会保険料の効果は条件ごとの試算が必要
ベネフィット社宅の公式ページには効果を試算するシミュレーションがありますが、全国健康保険協会東京都の令和4年度保険料額表を使い、家賃を給与の25%とする前提です。実際の手取りや会社負担の変化は、給与、年齢、加入する健康保険、勤務地、本人が負担する社宅料、住宅の現物給与価額などで変わります。
導入前に、従業員ごとの金銭給与と住宅の現物給与を合算し、現在の保険料率で標準報酬月額を試算してください。基本給を変更する場合は、労働契約法に沿った手続きや本人の合意、最低賃金の確認が必要です。社宅料を給与から控除する場合は、労働基準法第24条に基づく書面の労使協定も確認します。
- 手取り増や会社負担減の金額は、全社員で同じとは限らない
- 住宅の貸与は、社会保険上の現物給与として換算する
- 出産手当金・育児休業給付金や住宅ローン審査へ影響する場合がある
- 税務・労務の取り扱いは、税理士や社会保険労務士へ確認する
メリット2:社宅制度の面倒な手続きを代行・サポートしてもらえる
実は、先程紹介した社宅制度については、ベネフィット社宅を利用しなくても活用できます。ただ、その導入の障壁となるのが、管理業務の煩雑さ・面倒さです。
ベネフィット社宅の導入時には、社宅規程の作成、給与規程への条文追加、入居に関する書類の準備、従業員向け説明会、労使協定、名義変更などを進めます。必要な期間は会社の規程や対象者、物件の契約状況で変わるため、導入希望時期を伝えて個別に確認しましょう。
▲「ベネフィット社宅」を導入することで、借上社宅の賃貸物件を一元管理できる
公式ページでは、規程変更について他社事例の提示を受けられるほか、専門的な社会保険労務士への相談も可能と案内しています。ただし、社労士への相談は別途有料です。現行約款では、社労士によるサポート業務費用は100,000円とされています。
導入後の契約・管理・支払いに関する対応範囲は、転貸型・代行型や選択するプラン、物件条件で異なります。対象業務と追加費用を申込前の見積書・取決書で確認してください。
メリット3:月額500円/戸から。初期費用・追加費用も確認
「ベネフィット社宅」の料金は、社宅管理プラン、契約方式、名義変更の有無、オプションの利用状況で変わります。現行約款に記載された主な費用は次のとおりです。

- スタンダード社宅管理費用:500円/戸
- ゴールド社宅管理費用:750円/戸
- プラチナ社宅管理費用:1,000円~/戸
- ベネフィット社宅の導入初期費用:10,000円/戸
- ベネフィット社宅の名義変更事務費用:15,000円/戸
- 社労士によるサポート業務費用:100,000円
月額500円だけで損得を判断せず、導入初期費用、名義変更費、社労士支援、その他の追加費用まで含めた総額と、従業員ごとの効果試算を比較してください。最新の料金と適用条件は、社宅ラクっとNAVIの公式総合約款と個別見積もりで確認できます。
公式に確認できる「社宅ラクっとNAVI」の導入企業の声
社宅ラクっとNAVIの公式サイトでは、導入企業の社名とともに利用後の声を公開しています。サッポロドラッグストアーは、部屋探し・引越し・社宅管理をまとめて委託できた点や、社会保険面で恩恵が得られた点を挙げています。
ただし、この導入事例は「社宅ラクっとNAVI」全体についての声であり、「ベネフィット社宅」単独の効果とは明記されていません。手取りや会社負担の変化は従業員ごとの条件で異なるため、公式の効果シミュレーションと自社条件による試算を確認して判断しましょう。
「ベネフィット社宅」の基本情報
| 運営会社 | 株式会社リベロ(Livero Inc.) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門 3-8-8 NTT虎ノ門ビル3F |
| 問い合わせ先 | https://syataku-rakunavi.com/benefit/contact |
| 公式ページ | https://syataku-rakunavi.com/benefit |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。