
ドライブデートにおすすめのエリアを探している方へ。歴史と文化が薫る兵庫県豊岡市の出石町(いずしちょう)で、特別な思い出を紡いでみませんか。
今回ご紹介するのは、但馬國出石観光協会の中原さんおすすめの、日帰りドライブ&散策コース。白壁と石垣が織りなす城下町のまち歩き、地元の伝統工芸「出石焼」製陶所での絵付け体験、近畿最古の芝居小屋見学など、歴史と文化を堪能できるコースとなっています。
ゆとりある行程で、二人だけの特別な時間をお過ごしください。
▼今回ご紹介する兵庫県出石町ドライブスポットの見どころ
この記事の目次
兵庫県出石町ドライブコース
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出発点 出石西の丸駐車場| 徒歩約1分(98m)
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スポット1 永澤兄弟製陶所| 徒歩約4分(260m)
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スポット2 出石永楽館| 徒歩約1~2分(70~150m)
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スポット3 出石皿そば山下、出石皿そば 五萬石| 約7分(2.7km)
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スポット4 出石神社| 約22分(16.4km)
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スポット5 ホテルシルク温泉やまびこ
出石西の丸駐車場を起点にしたこのドライブコースの魅力は、二人で過ごす特別な時間を演出できる点です。江戸時代からの伝統を受け継ぐ窯元では、青と白の美しい出石焼の絵付け体験を。近畿最古の芝居小屋では、人力で180度回転する廻り舞台など、古の匠の技をご覧いただけます。
この他、心を癒す体験も待っています。山々に抱かれた温泉では、絹糸のように滑らかな泉質が旅の疲れを優しく溶かしてくれることでしょう。
それでは、城下町が紡ぐ歴史と癒やしの物語を、順にご紹介していきましょう。
スポット1:永澤兄弟製陶所(出石西の丸駐車場から徒歩約1分)
旅の前半は、市営駐車場である「西の丸駐車場」に車を停め、徒歩で周囲のスポットをめぐりましょう。
西の丸駐車場から歩いてすぐのところにある「永澤兄弟(ながさわけいてい)製陶所」は、出石焼の伝統を受け継ぐ窯元です。
ここで、カップルに特におすすめしたいのが、心温まる絵付け体験です。所要時間は約20分。お皿や湯飲み、花入れなど、お好みの陶器を選んで、藍色の顔料で絵や文字を描き入れます。予約優先ですが、空きがあれば当日の参加も可能です。窯での焼成を経て、およそ1ヶ月から1ヶ月半後には、完成した作品が自宅に届きます。二人の思い出が刻まれた世界に一つだけの器は、日々の暮らしに彩りを添えてくれることでしょう。
一方ギャラリーには、真っ白な生地に涼し気な青色の絵柄が躍る、数多くの作品が並んでいます。熟練の職人たちが丹精込めて生み出す作品群は、優美な光沢を放つものから、艶を控えめに抑えた渋い表情のものまで、まるで生き物のように多彩な表情を見せてくれます。
ギャラリーの展示は四季の移ろいとともに装いを変え、出石焼の新たな魅力を発信し続けています。年末年始には縁起物として愛される干支をモチーフにした作品が並び、夏には涼やかな音色を奏でる手のひらサイズの風鈴が登場。風鈴の、出石焼ならではの澄んだ高音は、暑い季節に心地よい風物詩として愛されています。
施設名 | 永澤兄弟製陶所 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市出石町内町92-1 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
定休日 | 年末年始 |
スポット2:出石永楽館(永澤兄弟製陶所から徒歩約4分)
出石永楽館は、江戸の匠たちが築き上げた舞台機構が今なお息づく、歴史的な宝物です。昭和39年に閉館しましたが、往時の永楽館を懐かしむ声にこたえ、平成20年に行われた大改修を経て一般公開。また不定期で、歌舞伎や落語などの各種公演が開催されることもあります。
館内見学では、舞台の機構や裏側までも見ることができます。劇場の心臓部とも言える舞台には、往時の技術が見事な形で受け継がれています。
その代表が、人力で180度回転する「廻り舞台」。昼から夜へ、屋内から屋外へと、まるで魔法のように場面を転換させるその仕掛けは、今でも現役で稼働しています。地下から役者が華々しく登場する「せり上がり舞台(セリ)」も、手回しによる江戸時代からの機構をそのまま残し、往時の技術の粋を今に伝えています。
館内は30分ほどで見て回ることができますが、その時間は歴史との静かな対話のひととき。客席に腰かけて、かつての歌舞伎や落語の上演に思いを馳せたり、建物の隅々に刻まれた時の痕跡を探したりと、劇場の魅力に浸ってはいかがでしょうか。
施設名 | 出石永楽館 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市出石町柳17-2 |
営業時間 | 9:30~17:00(最終入館16:30) |
休館日 | 毎週木曜日、12/31・1/1 |
スポット3:出石皿そば山下、出石皿そば 五萬石(出石永楽館から徒歩約1~2分)
出石町を訪れたら、お昼に味わいたいのが、名物「出石皿そば」。1人前が5皿セットになったスタイルが特徴的です。町内には多数のお店がありますが、ここでは、出石永楽館のほど近くにある2店舗をご紹介します。
「出石皿そば 山下」は、歌舞伎鑑賞に訪れたお客さん達から長年愛されてきたお店。定番の「皿そば」はもちろん、蕎麦の風味を活かした「そば団子」や「そばアイス」「そばプリン」などの甘味まで、多彩なメニューが並びます。
「出石皿そば 五萬石」は、食事はもちろん、その空間も魅力的です。座敷席から眺められるのは、趣深い中庭の景色。さりげなく配された石造りのオブジェが、和の風情をより一層引き立てています。お蕎麦が運ばれてくるまでの時間さえも、大切な人と共に過ごす特別なひとときとなります。
お値段は両店とも、1人前(5枚セット)で約1,000円。追加の1枚は160~170円程度で、男性なら10枚(約1,500円)を目安に、心ゆくまで出石そばの真髄を味わえます。
店名 | 出石皿そば山下 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市出石町田結庄1 |
営業時間 | 平日 10:00~15:00 土・日曜日、祝日 10:00~17:00 |
定休日 | 火曜日 |
店名 | 出石皿そば 五萬石 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市出石町柳13 |
営業時間 | 11:00~16:00 |
定休日 | 木曜日 |
スポット4:出石神社(西の丸駐車場から車で約7分)
昼食の後には西の丸駐車場へ戻って、車で次の目的地を目指しましょう。但馬地方の一宮(いちのみや)(※)である出石神社は、新羅(朝鮮)の王子であった・天日槍命(あめのひぼこのみこと)と、天日槍が日本にもたらした八種の神宝・伊豆志八前大神(いずしやまえのおおかみ)を祀り、開拓と治水の神として古来より深い信仰を集めてきた神社です。
(※)その地域で最も格式の高い神社
豊岡市指定文化財でもある出石神社。ひそやかで荘厳なこの神社は、大切な人と共に心を静めて参拝をするのにピッタリといえるでしょう。境内の一角には、石柱が整然と並ぶ「禁足地(きんそくち)」があります。古くから「入れば、たたりがある」と伝えられるこの立入禁止区域は、神社の雰囲気をいっそう神秘的なものにしています。
この出石神社の背後は、実はかつて出石城がそびえていた場所(1574年に移転)。現在は、その跡である台形状の山が、歴史の重みを静かに伝えています。
名称 | 出石神社 |
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所在地 | 兵庫県豊岡市出石町宮内 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
スポット5:ホテル シルク温泉やまびこ(出石神社から車で22分)
最後に向かうのは、出石神社から車で約22分。のどかな田園風景を眺めながら走った先に佇む「ホテル シルク温泉やまびこ」です。
この温泉の特徴は、その名の通り、絹糸をまとうかのような滑らかな泉質です。7000万年前の花崗岩と、4億5000万年前の蛇紋岩の境界から湧き出るこのお湯には、炭酸水素イオンと硫酸塩が溶け込んでいるそう。
館内には、心身を解きほぐす多彩な湯処が点在します。ゆったりと身を委ねられる内湯、山々の眺望が広がる開放的な露天風呂、そして心地よい温もりに包まれるサウナ。但馬の山並みに抱かれ、1日を振り返りながらの温泉浴は、まさに至福のひとときです。
温泉で温まった後は、畳の香り漂う館内の休憩所で、旅の余韻にひたる時を過ごしてはいかがでしょうか。また、広々とした売店ではお土産類のほか、地元の野菜やお米、有名な卵かけごはん専門店「但熊(たんくま)」の卵なども購入することができます。
施設名 | ホテル シルク温泉やまびこ |
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所在地 | 兵庫県豊岡市但東町正法寺165 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 6:00~21:00(受付は20:30まで) 【冬期間(1月~2月末)】 7:00~21:00(受付は20:30まで) |
定休日 | 年中無休 |
但馬國出石観光協会からのメッセージ
今回ご紹介したコースに加え、お時間の余裕がある方向けに、歴史が紡ぐ出石の城下町をより深く味わえる場所をご紹介します。
2番目のスポットである出石永楽館のほど近くにある「辰鼓楼(しんころう)」は、明治時代に建てられた、日本最古級と伝わる時計台です。まるで絵のように美しい時計台は、城下町の風景のアクセントとして映え、写真スポットとしても人気です。
兵庫県出石町ドライブコースのまとめ
コース概要 |
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主な観光スポット | スポット1:永澤兄弟製陶所
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スポット2:出石永楽館
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スポット3:出石そば(出石皿そば山下・出石皿そば 五萬石)
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スポット4:出石神社
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スポット5:ホテル シルク温泉やまびこ
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但馬國出石観光協会の問い合わせ先
名称 | 但馬國出石観光協会 |
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住所 | 兵庫県豊岡市出石町内町104-7 |
問い合わせ | https://www.izushi.co.jp/contact/ |
公式ページ | https://www.izushi.co.jp/ |

観光協会おすすめの「ドライブデート」企画や、「プロに聞くアドバイス」企画の編集を担当。地方移住に関する取材経験が150本と豊富で、各地の名所に精通。プライベートでも週2回はドライブするほどのドライブ好き。