
歴史と自然が織りなす風景が魅力的な宮崎県西都市(さいとし)のドライブコースをご紹介します。西都市観光協会の大木さんおすすめの、大人のカップルのための特別なデートプランです。
今回巡るのは、四季折々の花も美しい古墳群、老舗のうなぎ店、いにしえの人々の知恵の結晶ともいえる城跡、地元の特産物が勢ぞろいする直売所、そして源泉掛け流しの温泉。約6時間たっぷり楽しめるルートになっています。
▼今回ご紹介する西都市ドライブスポットの見どころ
この記事の目次
西都市ドライブコース
- 西都原ガイダンスセンター このはな館
↓徒歩約1分 - スポット1:西都原古墳群
↓約5分(2.2km) - スポット2:うなぎの入船
↓約20分(10.7km) - スポット3:都於郡城跡
↓約15分(7.5 km) - スポット4:JAみやざき いっちゃが広場
↓約10分(3.3km) - スポット5:源泉掛け流し温泉 妻湯
観光と文化の発信拠点「西都原ガイダンスセンター このはな館」から出発する今回のコースは、大人のドライブデートを叶えてくれる特別なルート。豊かな自然と歴史が調和した景観、地元で愛され続ける名店の味、そして心身ともに癒される温泉まで、バラエティ豊かな魅力に出会えます。
それでは、5つのスポットを順にご紹介していきます。きっとお二人の心に残る思い出となることでしょう。
スポット1:西都原古墳群(西都原ガイダンスセンター このはな館から徒歩約1分)
最初に訪れるのは、スタート地点「西都原ガイダンスセンター このはな館」と同じ敷地内にある「西都原(さいとばる)古墳群」です。
一帯が公園となったこの施設には、3世紀末から7世紀前半にかけての古墳が、300基以上点在しています。歴史ファン向け施設と思われるかもしれませんが、実は多くの人を魅了する絶景スポット。春には2,000本の桜と30万本の菜の花が競演、夏にはひまわりが太陽に向かって力強く咲き誇り、秋には300万本のコスモスが秋風に揺られて波のように揺らめきます。
もちろん、日本最大級である古墳群も見ごたえ十分です。中でも必見は「鬼の窟(おにのいわや)古墳」。直径約37m、そして高さ約7mという壮大なスケールは、古代のロマンを今に伝えています。古墳の内部まで探索できるため、1,000年以上の時を超えて、古代人の息吹を肌で感じることができるかもしれません。
また、広大な敷地の中心に建つ考古博物館では、時を超えて語りかける貴重な出土品の数々に出会えます。入口から続くスロープにある、地球の誕生・人類の進化についての展示コーナーや、実際に出土品に触れられるコーナーでは、タイムトラベルするかのような特別な体験ができるでしょう。カップルでの思い出作りには「勾玉作り体験」や「土器作り体験」もおすすめ。ここならではのユニークで特別な体験が、旅をいっそう印象的なものにしてくれます。
施設名 | 西都原古墳群 |
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所在地 | 宮崎県西都市三宅4941-1 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり |
スポット2:うなぎの入船(西都原古墳群から車で約5分)
西都原古墳群から車でわずか5分。古き良き日本家屋の佇まいが印象的な老舗「うなぎの入船(いりふね)」で昼食はいかがでしょうか。舌の肥えた食通が、県外からも足しげく通う名店です。
メニューは、気軽に楽しめる鰻丼(1,800円~)から、贅を尽くした特上うな重まで、幅広いラインナップ。丹精込めて焼き上げられる鰻と秘伝のタレが、至福の味わいを作りあげます。
また、この店の魅力を語る上で欠かせないのが「呉汁(ごじる)」です。大豆をベースに丁寧に仕立てられたこの郷土料理は、まるで雲のようにふわふわとした独特の食感と、豆腐などの具材の旨味が溶け合った温かな一品。鰻との相性も抜群です。
人気店であるがゆえに、お昼時にはしばしば待ち時間が生じます。趣のある待合室も用意されていますが、少し時間をずらして訪れるのもひとつの方法です。
店舗名 | うなぎの入船 |
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所在地 | 宮崎県西都市大字南方3316-3 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 11:00~14:30、16:30~19:30 |
店休日 | 火曜日(事前にお問い合わせください) |
スポット3:都於郡城跡(うなぎの入船から車で約20分)
次に目指すのは「国指定史跡 都於郡城跡(とのこおりじょうあと)」。うなぎの入船からの道中には「神楽酒造株式会社 西都工場」があり、そこに「都於郡歴史館」が併設されています。ぜひ立ち寄って「都於郡ふるさと再発見マップ」を入手していきましょう。
都於郡城跡は、南北朝時代から安土桃山時代にかけてこの地で栄えた、伊東氏の居城跡です。現在は、一見すると土塁(※)が残る程度に見えますが、その城郭構造には巧みな知恵が込められています。地形と地質を利用し、空堀と土塁を絶妙に配置した防御施設は、まるで迷路のよう。敵の動きを制御し、攻め手を翻弄する仕掛けが随所に息づいています。その堅固な城構えにより、伊東氏累代の本拠地として機能し続けましたが、島津氏の攻勢を受け、伊東氏は戦わずに城を捨て豊後に落ち延びました。
(※)城を囲んで、土を堤防のように盛ったもの
城跡の魅力を存分に味わうためには、先ほどの歴史館で入手できる「都於郡ふるさと再発見マップ」を片手に散策するのがおすすめです。かつての本丸や二の丸の位置、精緻な城の構造が詳しく記された地図を手に、往時の戦国武将に思いを馳せながら歩いてみてはいかがでしょうか。
施設名 | 都於郡城跡 |
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所在地 | 宮崎県西都市鹿野田 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり |
スポット4:JAみやざき いっちゃが広場(都於郡城跡から車で約15分)
都於郡城跡から心地よい山道を15分ほど走れば、西都市の食の宝庫「JAみやざき いっちゃが広場」に到着。ここは、地元農家が丹精込めて育てた新鮮な農産物から、手間暇かけた特産品まで、この土地の豊かな恵みが一堂に会する空間です。
肥沃な大地と温暖な気候に恵まれた西都市では、四季折々の農作物が豊かに実ります。なかでも太陽の恵みをたっぷり受けて育った完熟マンゴーや、みずみずしい甘さが特徴のスイートコーンは、市場関係者も絶賛する逸品。その評判を聞きつけて、遠方からわざわざ足を運ぶ方も少なくありません。持ち帰りはもちろん、自宅までの配送サービスも完備されているため、旅の途中でも気兼ねなくショッピングを楽しめます。
加工品コーナーの充実ぶりも見逃せません。地元産の柚子から作られる香り高い柚子胡椒や、もち米を原料とする南九州の伝統的な和菓子「あくまき」など、ここでしか出会えない逸品との出会いが待っています。
施設名 | JAみやざき いっちゃが広場 |
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所在地 | 宮崎県西都市大字三宅9386番地 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 年始(1/1~1/4) |
スポット5:源泉掛け流し温泉 妻湯(JAみやざき いっちゃが広場から車で約10分)
ドライブの締めくくりには、温泉でリラックスしませんか。「源泉掛け流し温泉 妻湯(つまゆ)」は、2019年にオープンした日帰り温泉施設です。
優しく肌を包み込む弱アルカリ性の炭酸水素塩泉は、地下1,483mから湧き出る太古の泉。源泉掛け流しならではの新鮮な湯は、日々の疲れを優しく癒してくれることでしょう。露天風呂では、空と緑に囲まれながら季節の風を感じ、自然と一体になったような気分を味わうことができます。また、ヒノキの香りただようドライサウナも備えられています。広々とした室内には座る段によってお好みの温度を選べる3段ベンチがあり、20名ほどが同時に利用できます。
施設名 | 源泉掛け流し温泉 妻湯 |
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所在地 | 宮崎県西都市調殿687-5 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(一般車両180台、大型バス専用5台) |
営業時間 | 10:00~22:00(レストランは11:00~21:00) |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は営業) |
西都市観光協会からのメッセージ
スタート地点となる「西都原ガイダンスセンター このはな館」は、2025年3月リニューアルオープン。レストランやカフェ、お土産が並ぶ売店のほか、観光案内や交流スペース、コワーキングスペースも備えた、複合施設です。
観光案内所には、観光ボランティアガイドが常駐しています。立ち寄って話をしてみれば、各スポットへの興味や理解が一層深まるかもしれません。
西都市ドライブコースのまとめ
コース概要 |
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主な観光スポット | スポット1:西都原古墳群
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スポット2:老舗名店「うなぎの入船」
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スポット3:都於郡城跡
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スポット4:JAみやざき いっちゃが広場
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スポット5:源泉掛け流し温泉 妻湯
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西都市観光協会の問い合わせ先
名称 | 西都市観光協会 |
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住所 | 宮崎県西都市聖陵町1丁目88番地 |
問い合わせ | https://www.saito-kanko.jp/inquiry/ |
公式ページ | https://www.saito-kanko.jp/ |

観光協会おすすめの「ドライブデート」企画や、「プロに聞くアドバイス」企画の編集を担当。地方移住に関する取材経験が150本と豊富で、各地の名所に精通。プライベートでも週2回はドライブするほどのドライブ好き。