北海道・江差町で、特別なドライブデートを楽しみませんか。
港町情緒が漂う江差町は、江戸~明治時代にかけ、大阪と北海道を結んだ商船・北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた、歴史ある町。
歴史的建造物と日本海の絶景、そして、北海道の伝統民謡「江差追分(えさしおいわけ)」の資料が展示される会館まで、上質な大人の観光を楽しめる魅力的なエリアです。
今回は、江差観光コンベンション協会の阿部さんおすすめの、町の見どころを効率よく巡れるドライブコースをご紹介します。
▼今回ご紹介する江差町ドライブスポットの見どころ
この記事の目次
江差町ドライブコース
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スポット1 旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)| 約1分(350m)
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スポット2 いにしえ街道| 約2分(500m)
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スポット3 江差追分会館・江差山車会館| 約4分(1.1km)
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スポット4 かもめ島、開陽丸記念館| 約7分(4.2km)
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スポット5 道の駅「江差」
北前船交易によって本州の文化が色濃く残る江差町は、歴史的な街並みと美しい自然が調和する、ドライブデートにぴったりのエリアです。全長約5キロメートルというコンパクトなコースながら、国指定重要文化財の歴史的建造物、情緒あふれる商家街、郷土芸能の拠点、そして「日本の夕陽百選」に選ばれた絶景スポットまで、見どころが凝縮されています。
これから、江差町でのドライブデートにおすすめのスポットを、順にご紹介します。
スポット1:旧檜山爾志郡役所(郷土資料館)
ドライブデートのスタートは、旧檜山爾志郡役所(ひやまにしぐんやくしょ)です。ここで町の歴史を紐解いてから次なる目的地へ向かうことで、江差の持つ奥深い魅力を、より豊かに味わうことができるでしょう。
旧檜山爾志郡役所は、明治20年(1887年)、檜山郡・爾志郡を管轄する郡役所として建てられた西洋建築です。その威厳ある佇まいを今なお見事に保ち、北海道指定有形文化財として、静かにその歴史を語り続けています。
白亜の外壁に使われた福井県産の石材は、北前船がもたらした贅沢な建材の一つ。建物の随所に、当時の船乗りたちが本州から運んだ、選りすぐりの材料を見ることができます。その一つひとつが、江差と各地を結んだ海路の物語を今に伝えています。
現在は郷土資料館として生まれ変わったこの歴史的建造物では、文化庁認定の日本遺産に選ばれた江差の魅力に触れることができます。滋賀や福井など、日本海側の文化が色濃く息づく展示の数々。ニシン漁で賑わった港町の繁栄を今に伝える貴重な資料の数々が、かつての江差の躍動感を鮮やかに描き出しています。
名称 | 旧檜山爾志郡役所(郷土資料館) |
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所在地 | 北海道檜山郡江差町字中歌町112 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | ・12月31日~1月5日 ・4月~10月は無休 ・11月~3月は月曜日、祝日の翌日 |
スポット2:いにしえ街道(旧檜山爾志郡役所から車で約1分)
北前船の荷揚げ場として栄えた「いにしえ街道」は、江戸・明治の面影を伝える町家や土蔵などが並ぶ、約1.1kmの歴史街道です。
地中に電線を通すことで実現した電柱のない景観は、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を醸し出しています。街道の海側は、現在は埋め立てられ国道が通っていますが、かつてはこの場所まで波が打ち寄せ、商家の軒先から小舟で北前船との商いが行われていたそう。そんな歴史も、通りの風情を一層深めています。
この歴史的な通りの真髄とも言えるのが、国指定重要文化財の「旧中村家住宅」です。もともとは近江商人の大橋宇兵衛が所有していた住宅を、同じく近江出身の中村米吉が譲り受け、その後江差町に寄付されました。
知恵と美意識が結実したこの建物は、当時の地形に沿って巧みに設計された階段状の造り。内部は資料館として公開されており、館内を歩けば、かつての海へと続く地形の傾斜を体感することができます。また、館内見学では、熟練の案内人が江差の黄金期を描いた江差屏風のレプリカや、商家の暮らしを物語る当時の調度品の数々について、興味深い解説が行われています。
歴史探訪の合間に、心潤すひとときを過ごしたい方は、通りに点在している趣あるカフェやお食事処に入るも良し、車中での休憩タイム用にスイーツをお持ち帰りするのもおすすめです。
中でも必食なのが「カフェ&スイーツ壱番蔵」の絶妙な口どけの特製シュークリームと、「山田屋菓子舗」の上品な甘さと食感が魅力のいちご大福!どちらも人気の一品です。
名称 | いにしえ街道 |
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所在地 | 北海道檜山郡江差町姥神町 |
スポット3:江差追分会館・江差山車会館(いにしえ街道から車で約2分)
次に訪れたい「江差追分会館」は、伝統民謡・江差追分の資料が数多く展示される施設です。
江差追分は現在、全国各地のみならず海外にも広まり、2,000人を超える会員を持ちます。その心と技を今に伝える拠点が、この江差追分会館。北前船の船乗りたちの魂が込められたこの伝統芸能は、時代を超えて人々の心を揺さぶり続けています。
4月から10月の期間中、館内には1日に3度、地元の全国大会優勝者や師匠等による生の歌声が響き渡ります。波のうねりをも表現する独特の節回しや、江差の風土が育んだ独自の唄の世界について、丁寧な解説とともに体感することができます。
併設の「山車(やま)会館」では、380年の伝統を誇る姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)で実際に使用される2台の山車が、勇壮な姿を見せています。高さ5メートル・横幅3メートルというスケールと、そこに飾られた精巧な人形の姿には、圧倒されること間違いなし。
また、併設のお食事・お土産Horizoんでは、地元の食材を活用したメニューが並びます。名物は、そばの上に甘露煮のにしんが乗った「にしんそば」。かつて江差から京都へ運ばれたにしんが甘露煮にされ、再び江差の地へやってきたという、文化交流が生んだといわれる一品です。
名称 | 江差追分会館・江差山車会館 |
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所在地 | 檜山郡江差町字中歌町193-3 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | ・12月31日~1月5日 ・4月~10月は無休 ・11月~3月は月曜日、祝日の翌日 |
スポット4:かもめ島、開陽丸記念館(江差追分会館から車で約4分)
白く優美な「かもめ」の姿に似ていることから名付けられた「かもめ島」は、江差の海に浮かぶ自然の宝石箱です。
ゆっくり歩いて一周しても約2時間というこの島の中で、最も心を奪われるのが「かもめの散歩道」。約1キロにわたって海上へと伸びる遊歩道から、澄み切った日本海の海中で戯れるサバやホッケの群れを、まるで水族館のように間近で観察できます。
島のシンボル的存在である「厳島神社」や、そのそばに設置された「幸せの鐘」もぜひ立ち寄りたいスポットです。幸せの鐘は、夕陽に染まる空を背景に、訪れる人々の思い出を永遠のものにしてくれる特別なフォトスポットとして親しまれています。
島内の「開陽丸記念館」には、戊辰戦争中に江差沖で沈没した軍艦・開陽丸から引き揚げられた、約3万3000点もの資料が展示されています。実物の大砲や、当時の船員たちの生活を追体験できるハンモックコーナーなど、五感で歴史に触れる仕掛けも満載。歴史の好きな方は、幕末期の海運の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
島ではそのほか、夏季にはグランピングやSUP体験、カニ釣りなど、さまざまなアクティビティも用意されています。
名称 | かもめ島、開陽丸記念館 |
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所在地 | 北海道檜山郡江差町姥神町1番地 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 平日9:00〜17:00 |
スポット5:道の駅「江差」(かもめ島から車で約7分)
江差町の魅力を凝縮したような「日本一小さい道の駅」が、ドライブコースの最後を飾ります。売店の広さは8畳ほどで、隣接するトイレよりもコンパクトという驚きのスケールは、訪れる人の心に確かな記憶を刻む個性となっています。
施設内では、遊び心あふれる「小さいものミュージアム」が、訪れる人の目を楽しませています。函館在住のアーティストが手掛ける樹脂粘土の「豆猫」たちは、春のお花見や真夏の水遊びなど、季節の表情を愛らしく演出。道の駅のコンセプトと見事に調和した、心温まる展示空間が広がっています。
江差町の大きな魅力の1つが、「日本の夕陽百選」にも選ばれているほど美しい夕日の風景です。道の駅「江差」から夕日を楽しむなら、春から夏にかけてがベストシーズン。特に夏の18時30分頃、水平線へと真っすぐに伸びるウッドデッキは、まるで夕陽への桟橋のよう。遮るもののない水平線に、大きな太陽が静かに沈んでいく様子は圧巻です。
名称 | 道の駅「江差」 |
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所在地 | 北海道檜山郡江差町字尾山町1 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 9:00〜17:00(4~11月) 10:00〜16:00(12~3月) |
定休日 | ・12月31日~1月5日 ・4月~10月は無休 ・11月~3月は月曜日、祝日の翌日 |
江差観光コンベンション協会からのメッセージ
江差の旅の道しるべとなるのが、かもめ島の「ぷらっと江差」に設けられた観光案内所です。地元を知り尽くしたスタッフが、江差の隠れた魅力から周辺地域へのアクセス情報まで、旅のあらゆる相談に温かく応じています。観光プランの立て方に迷ったときはもちろん、より深く江差を知りたいという方の情報収集の拠点としても、心強い味方となることでしょう。
江差の魅力は、観光スポットがコンパクトにまとまり、車での移動と歩きの観光を絶妙に組み合わせられる点にもあります。たとえば、車窓からの眺めを楽しみながら、興味を引かれたスポットでは車を降りてゆっくりと散策するのもおすすめです。江差の持つ歴史と文化、そして豊かな自然の数々を、心ゆくまでご堪能ください。
江差町ドライブコースのまとめ
おすすめの回り方 | 総走行距離:約5キロメートル 所要時間:半日〜1日 春〜夏がベストシーズン 夕方は道の駅での夕陽鑑賞がおすすめ |
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主な観光スポット | スポット1:旧檜山爾志郡役所(郷土資料館)
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スポット2:いにしえ街道
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スポット3:江差追分会館・江差山車会館
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スポット4:かもめ島、開陽丸記念館
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スポット5:道の駅「江差」
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アクセス・立地 | 全スポットが町の中心部にコンパクトに集中 車移動と徒歩散策の組み合わせが効率的 観光案内所(ぷらっと江差)でルート相談可能 |
おすすめシーズン | 春〜夏がベストシーズン 夏季は天候が安定し、各種アクティビティも充実 冬季は天候不安定で夕陽が見えづらい |
江差観光コンベンション協会の問い合わせ先
名称 | 江差観光コンベンション協会 |
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住所 | 北海道檜山郡江差町字中歌町193-1 江差町役場内 |
問い合わせ | https://www.esashi-kankoukyoukai.com/contact/ |
公式ページ | https://www.esashi-kankoukyoukai.com/ |
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観光協会おすすめの「ドライブデート」企画や、「プロに聞くアドバイス」企画の編集を担当。地方移住に関する取材経験が150本と豊富で、各地の名所に精通。プライベートでも週2回はドライブするほどのドライブ好き。