【山口県萩市須佐ドライブデート】1500万年前の地層や神秘の岩場を巡る非日常体験

山口県萩市の須佐(すさ)地域で、絶景と歴史が織りなす特別なドライブデートはいかがでしょうか。

今回巡るのは、約1500万年前の地層が露出する断崖絶壁「ホルンフェルス」から、須佐の歴史と文化に触れられる「萩市須佐歴史民俗資料館」、そして絶景と神秘的な岩場がある「高山展望台」まで。

さらに、地元の新鮮な海の幸を味わえる割烹や、イタリアで本場の技を学んだシェフによる絶品ジェラートなど、グルメスポットも充実しています。

須佐おもてなし協会の的村(まとむら)さんおすすめの、見どころ満載のドライブコースです。

▼今回ご紹介する萩市須佐ドライブスポットの見どころ

須佐ドライブスポットの見どころ

山口県萩市須佐ドライブコース

  • 出発点 須佐駅
    | 約10分(4.1km)
  • スポット1 ホルンフェルス
    | 約10分(4.8km)
  • スポット2 美志満屋
    | 約1分(190m)
  • スポット3 萩市須佐歴史民俗資料館
    | 約1分(260m)
  • スポット4 Gelateria Fortuna
    | 約25分(8.3km)
  • スポット5 高山展望台

今回ご紹介するのは、須佐地域の魅力が凝縮された贅沢なドライブプランです。

各スポットの魅力はもちろん、潮風を感じる海沿いの道から、標高532.8mの山頂へと続く道など、スポット間を結ぶドライブでも、須佐ならではの風景が車窓から楽しめます。

それでは、魅力あふれる5つのスポットを、順に詳しくご紹介していきます。

スポット1:ホルンフェルス(須佐駅から車で約10分)

ホルンフェルスの断崖、「猿の顔」

最初の目的地は、白と黒の縞模様の地層が露出した断崖絶壁「ホルンフェルス」。駐車場からは遊歩道を通り、断崖下まで降りることができます。

ホルンフェルスのこの縞模様ができたのは、約1500万年前。砂岩などから成る層が堆積した後に、高温のマグマが貫入したことで変成作用が起こったといわれています。この断崖を真下から見上げたり、岩肌に触れたりすれば、自然の雄大さを実感することができるでしょう。同時に、断崖を見る角度によっては“猿の顔”が現れるという、ユニークな体験も待っています。

なお荒天時には、断崖まで波しぶきが届くことがあります。自然のままの姿を大切に守るため、この場所に人工的な手すりなどは設置されていませんので、スニーカーなど歩きやすい靴でお出かけください。

すぐ近くには、レストハウス「つわぶきの館」があり、さまざまな地元の特産物も購入可能です。特に人気なのは、名物・剣先イカの一夜干し。白く膨らむまで軽く炙り、醤油とマヨネーズ、一味唐辛子をつけて味わえば絶品です。

スポット名 ホルンフェルス
所在地(つわぶきの館) 山口県萩市須佐7905-1
駐車場情報 つわぶきの館の駐車場を利用(無料)
営業時間(つわぶきの館) 【平日】10:00~16:00

【土日】10:00~16:30
休館日(つわぶきの館) 木曜日(11月~2月は、火曜・木曜)

スポット2:美志満屋(ホルンフェルスから車で約10分)

美志満屋の外観、内観、イカ料理

大自然の造形美を楽しんだ後は、昼食にしましょう。

地元で愛され続ける割烹「美志満屋(みしまや)」では、須佐の海で水揚げされた、新鮮な魚介類を味わうことができます。

看板メニューは、名物・剣先イカを存分に味わえる「イカ定食」。プリプリの食感と甘みが際立つイカ刺しを堪能できます。季節ごとの魚介類を使った「刺身定食」「刺身丼」も人気。そのほか「ステーキ定食」「だし巻き玉子定食」などもあるので、海鮮が得意でない方もお好みのメニューが見つかりそうです。

大切な人との会話を楽しみながら、地元の味を存分に堪能できる特別なひとときを過ごせます。人気店のため混雑することも多いので、事前の予約がおすすめです。

店舗名 美志満屋
所在地 山口県萩市大字須佐4766
駐車場情報 専用駐車場あり(無料)
営業時間 11:30~14:00(LO13:30)
17:00~22:00(LO21:30)
定休日 12月28日~1月4日
※臨時休業あり

スポット3:萩市須佐歴史民俗資料館(美志満屋から車で約1分)

須佐歴史民俗資料館「みこと館」の外観と展示室

続いて訪れるのは、美志満屋からすぐの「須佐歴史民俗資料館」。

ここでは、江戸時代に毛利藩の永代家老(えいだいがろう:家老の続く名門の家柄)の要職にあった「益田家」の足跡を、年表や甲冑、調度品などの展示資料から辿ることができます。また、須佐唐津焼(からつやき)や、須佐のジオパーク関係の資料も展示され、須佐の歴史と文化を深く知ることのできる施設となっています。

資料館から徒歩圏内にある「笠松神社」や「益田家墓所」も、ぜひ訪れてみてください。笠松神社は、益田家第33代当主・益田親施(ますだちかのぶ)を祀る神社です。親施は、幕末の動乱の中、わずか32歳という若さで、幕府の命令により切腹した人物。

神社の鳥居に刻まれた「元治(げんじ)3年」という銘には、ある秘密が隠されています。実は、この時には既に年号が「慶応」に改まっていたにも関わらず、家臣たちは敢えて旧年号を使用しました。その選択には、最期まで志を貫いた主君への忠誠と、新しい時代への静かな抵抗の思いが込められているのです。

時を超え、当時の人々の静かで熱い思いが息づくこの神社は、歴史ファンの方にとってはたまらない場所ではないでしょうか。

施設名 須佐歴史民俗資料館
所在地 山口県萩市須佐4441-10
駐車場情報 専用駐車場あり(無料)
開館時間 9:00~16:30
休館日 月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)

スポット4:Gelateria Fortuna(萩市須佐歴史民俗資料館から車で約1分)

Gelateria Fortuna のガラス扉、外観、ジェラート

須佐の歴史の重みに触れた後には、ちょっと休憩しませんか。

「Gelateria Fortuna(ジェラテリア フォルトゥーナ)」は、イタリアで本場の技を学んだ女性オーナーが手掛けるジェラート専門店です。

フレーバーは、定番のミルクやチョコのほか、地元農園で採れたイチゴやメロンなどのフルーツ、また地元特産の古代米「赤米」を使った「赤米ミルク」など多彩。須佐でしか味わえない一品に出会えます。

店内にイートインスペースはありませんので、テイクアウトしたジェラートを手に、潮風が心地よい海辺を散策したり、公園でひと休みしたりしながら味わってみてはいかがでしょうか。手作りにこだわった優しい味が須佐の自然と調和し、特別なスイーツタイムを演出してくれそうです。

店舗名 Gelateria Fortuna(ジェラテリア フォルトゥーナ)
所在地 山口県萩市須佐4737-2
駐車場情報 専用駐車場あり(無料)
営業時間 12:00~16:00
定休日 不定休
Instagramアカウント @gelateria_fortuna

スポット5:高山展望台(Gelateria Fortunaから車で約25分)

高山展望台と、そこからの眺め、磁石石

ドライブコースの締めくくりに訪れるのは、標高532.8mの高山(こうやま)にある展望台です。山頂近くに駐車場があるので、自然の風景を楽しみながら車で登っていきましょう。

この展望台は、穏やかな須佐湾を一望できる特等席。晴れた日には山口県内はもちろん、遠く島根県まで見渡すことも叶います。

見どころは景色だけではありません。山頂に数多くみられる巨岩は、磁性が異常に強いことから「磁石石(じしゃくいし)」と呼ばれ、国の天然記念物の指定を受けています。実際に、方位磁石を近づければ針が回転し始めるので、お二人で試してみるのも良いかもしれません。

磁石石による、このエリアの特異な磁場は、歴史的なエピソードも残しています。戦後、米軍がこの地に飛行場建設を計画したものの、航空機器への影響を懸念して断念。さらに、陸上自衛隊も同様の理由で施設建設を見送ったそうです。

これほど強い磁性を帯びている理由としては、山頂への落雷によるものとする説や、岩の中の成分によるという説などがありますが、確かなことは分かっていません。

大自然の絶景と地球の神秘的な力が調和するこの場所は、須佐観光の締めくくりにぴったりのスポット。穏やかな海の風景と不思議な磁場のパワーに包まれながら、特別な一日の締めくくりをお楽しみください。

施設名 高山展望台
所在地 山口県萩市須佐
駐車場情報 専用駐車場あり(無料)

山口県萩市須佐ドライブコースのまとめ

おすすめの回り方 全行程:約6時間
出発:午前9時30分頃
終了:午後3時30分頃
レンタカーでの周遊がおすすめ(JR須佐駅で手配可能)
主な観光スポット スポット1:ホルンフェルス
  • 約1500万年前の地層が露出した断崖絶壁(天然記念物)
  • 見る角度によって“猿の顔”が現れる
  • レストハウス「つわぶきの館」では山口県のジオパーク展示を見学可能
スポット2:美志満屋
  • 朝一番に水揚げされた新鮮な魚介類料理を提供
  • 看板メニュー「イカ定食」のほか、多彩なメニュー
スポット3:須佐歴史民俗資料館
  • 毛利藩の永代家老「益田家」の足跡をたどる、貴重な資料を展示
  • 徒歩で巡れる周辺の史跡も見どころ
  • 笠松神社には第33代当主への哀悼の念が込められた歴史が
スポット4:Gelateria Fortuna
  • イタリアで修業した女性オーナーによるジェラート専門店
  • 地元の新鮮な食材を活かしたフレーバーが特徴
  • 潮風が心地よい海辺の公園でのジェラートタイムがおすすめ
スポット5:高山展望台
  • 須佐湾の全景を一望できる絶景スポット
  • 晴れた日は山口県内〜島根県江津市まで見渡せる
  • 「磁石石」と呼ばれる、方位磁針を狂わせる特異な巨岩が存在
  • 戦後、米軍や自衛隊がこの磁場の影響で施設建設を断念した歴史あり

須佐おもてなし協会の問い合わせ先

名称 須佐おもてなし協会
住所 山口県萩市須佐4570-5
問い合わせ 08387-6-3380
公式ページ https://kanko.susa.in/
編集部:浅井 見祐伎
●編集部浅井 見祐伎

テレビ・ラジオ局でアナウンサーとして17年以上のキャリアを保持。取材、企画、ディレクション経験を活かし、地域の魅力を掘り下げる記事を得意とする。休日はカフェ巡りやお城めぐりを楽しむドライブ愛好家でもある。