演劇に目の肥えた男性もハマる。「劇団キンダースペース」の舞台で痛烈な余韻を堪能|埼玉

年齢を重ねるに連れて趣味や日常がマンネリ化していませんか?「感情が揺さぶられるような趣味を見つけたい」と考える方もいるのではないでしょうか。

そんな男性にこそおすすめしたいのが、埼玉県川口市にアトリエを構える「劇団キンダースペース」の舞台芸術です。

劇団キンダースペースの作品は、原作のストーリーに加えて作家のバックグラウンドまで描写した唯一無二の独創性が魅力です。複雑な人間心理の本質を突いた痛烈な展開についていくには、最初は体力が必要かもしれません。しかし、終演後の脱力感にも似た余韻こそが、劇団キンダースペース作品の醍醐味そのもの。

単なる感動だけでなく新たな気づきと啓示を得られるため、演劇に目の肥えた男性にも注目してほしい劇団です。重々しさの中にも静かな喜びを感じられる心地よい感覚を堪能してみてください。

演出家・原田一樹さんの世界観が詰まった「劇団キンダースペース」の作品の数々

劇団キンダースペースの舞台「報われし者のために」の一幕

▲劇団キンダースペース第44回本公演『報われし者のために』の一幕

劇団キンダースペースは埼玉県川口市にアトリエを構える劇団です。1985年の旗揚げ以来、「役者である前に演劇人であれ」というコンセプトを掲げ、演劇が持つ可能性を広げるべく演者と観客の垣根を超えた多彩な活動を続けてきました。

まずは、劇団キンダースペースを知るうえで欠かせない作品の魅力について解説します。

原作は戯曲から小説まで多種多様。演劇好きの男性も魅了

劇団キンダースペースの舞台「報われし者のために」の一幕

▲国内外の小説をベースとした舞台も多く上演しているため、読書好きな男性にもピッタリ

劇団キンダースペースが上演する作品のほとんどは、演出家・原田一樹さんが演出を手掛けています。

原田一樹さんは数々の有名俳優を輩出する「劇団青年座」にて劇作・演出を手掛けた経歴を持ち、その後劇団キンダースペースを創立。現在は劇団公演以外に、市民参加公演の指導・高校生の戯曲コンクールの審査・養成所講師などマルチに活動しています。

そんな原田さんが織りなす劇団キンダースペースの作品は、日本の近代小説を一人多役で演じる「モノドラマ」をはじめ、国内外の小説を原作としたものなど多岐に渡ります。

既成の戯曲は必ず独自の視点を取り入れて構成し直し、国内外の小説に至っては上演台本を作り直すなど一切の妥協がありません。どの作品もオリジナル要素があるため、海外戯曲に詳しい男性も今までとは違った新たな視点で楽しめるでしょう。

また、坂口安吾や芥川龍之介、太宰治など、学校の教科書に載っている文学小説の作品が多く、演劇に触れる機会があまりなかった男性も気構えずに入り込めます。

特徴は作家のバックグラウンドを絡めた新たな視点での構成

演出家・原田一樹さんが手掛ける作品は、唯一無二の独創性が魅力です。単に原作を脚色するのではなく、生い立ちや家庭環境といった作家のバックグラウンドを絡めたスタイルで、作者の哲学や信条をより明確に独自の視点で表現しています。

例えば2024年2月に上演した、トルストイの原作を島村抱月が翻訳・脚色し、原田一樹さんが上演台本を手がけた『新・復活2024』では、原作のテーマである「贖罪と赦し」をベースに、抱月の愛人・松井須磨子との恋情を取り入れた独自のストーリーを展開。作品では、日本人にとっての近代とその深部にある混迷に光を当て、被害者意識と加害者意識を問いかけました。

今を生きる私たちにも直感的に理解できるストーリーや普遍的な問題を持ち合わせているため、ビジネスにも役立つような新たな視点と気づきが得られるかもしれません。

男性へ向けた劇団キンダースペースの楽しみ方

劇団キンダースペースは公演以外にも、地域の市民参加公演の演出、高校演劇科での授業、高校生戯曲コンテストや大学演劇祭の審査員、またスタッフの育成に注力したりと、多方面で活動の幅を広げています。

さらに、ワークショップなどの体験型のイベントも多数実施しているため、観劇にとどまらず実際に演劇を体験することも可能です。

ここでは、男性におすすめしたい楽しみ方として、押さえておくべき舞台と上演作品をより楽しむためのイベントを紹介します。

良質作品を求める男性も大満足。一人多役のハイレベルな舞台「モノドラマ」

劇団キンダースペースのモノドラマアンソロジー「もう一人の私」一幕

▲モノドラマアンソロジー「もう一人の私」。私たちの内にある「病」にフォーカスした舞台

劇団キンダースペースの代名詞である「モノドラマ」。一人の役者が一つの役を演じる一人芝居や朗読とは異なり、小説の登場人物を一人多役で演じ分ける演劇です。

演じる役者が物語の世界観を空間に作り上げ、セリフから動作・心情に至るまですべてを全身で表現します。頭で理解するのではなく、文学世界に溶け込むように心と体で作品を体現するドラマチックな舞台に多くのファンが魅了されています。

劇団キンダースペースのモノドラマアンソロジー「もう一人の私」一幕

▲一人の役者が物語の世界観を築き、観客を作品の世界にいざなう

深い感情を表現した圧巻の演技力と独自の世界観が織りなす舞台が、上質にこだわる男性を魅了する理由の一つと言えるでしょう。終演後は娯楽以上の価値を感じられるはずです。

作品の理解を深める。上演に先駆けたイベントで作品の世界観を堪能

劇団キンダースペースでは、独自の視点と原作の世界観を深く感じてもらうために、上演に先駆けて作品の理解を深められる2つのイベントを開催しています。

「もうすぐ初日!ビフォアトーク」では、作品の背景や演出意図、演劇全般などを原田一樹さんから直接聞くことができます。その世界観に触れることでより一層舞台の期待値が高まるでしょう。

併せて、上演作品の一部を参加者と劇団員で朗読する「原作を読む会」も開催されます。例えば海外戯曲を上演する場合、翻訳調で読みにくいとされるそれをあえて読むことで原作の魅力を知り、更に観劇によって上演台本とのニュアンスの違いも楽しめます。

毎回上演初日の10日ほど前にアトリエで開催していて、どちらも参加費は無料です。男性参加者が多く一人で訪れる方も多いため、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

観劇から体験へ。好奇心旺盛な男性を刺激するワークショップ

劇団キンダースペースが開催しているベーシックワークショップ

▲高校生や初心者も参加しやすいベーシックワークショップ

劇団キンダースペースの楽しみ方は観劇にとどまりません。本拠地の埼玉を中心に演劇の視野を広げるワークショップも開催しています。

人気のワークショップは、年に2回開催している「モノドラマワークショップ」。劇団キンダースペースの舞台に感化された他の劇団俳優や役者志望の方など、プロ意識の高い方が多く参加しているようです。

例えば、森鴎外の『高瀬舟』や芥川龍之介の『杜子春』『トロッコ』、井伏鱒二の『山椒魚』、中島敦の『山月記』など、多くの方が一度は触れた経験がある小説を原作とするため、新たな解釈やどんな表現になるかといったワクワク感が味わえます。

役者の立場を経験することで、脚本の意図や作品に込められた潜在的なメッセージを感じ取れるようになり、より深い視点で楽しめるようになるのもワークショップの魅力の一つ。分析的な視点でじっくり舞台を鑑賞したい男性にもピッタリです。

モノドラマワークショップは一年以上、あるいは複数回の舞台経験者が対象なので、少しでも舞台経験がある方は劇団まで問い合わせてみてください。

劇団キンダースペースが開催しているワークショップの様子

▲各ワークショップの最終発表には本番同様の照明・音響も入り、劇団員がスタッフとして全面的にフォローしている

一方、戯曲を使わずにシアターゲームを取り入れた初心者向けの「ベーシックワークショップ」も実施しています。演劇の基本となる発想やセンスは外からの刺激によって生まれるため、リアクションを鍛えられるベーシックワークショップもまた、演劇の基本を知るための重要な意味を持ちます。

ワークショップを通して学べる自己表現や感情のアウトプットのコツは、コミュニケーションにおいても有用なのでビジネスマンにとっても有意義な学びの時間となるはずです。ベーシックワークショップは演劇初心者も参加可能ですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

本格的に演劇を学びたい男性必見!ワークユニットで新たな道を切り拓く

劇団キンダースペースの舞台に刺激を受け、「演劇に挑戦してみたい」「もう一度役者として舞台に立ってみたい」と演劇愛に火が付く方も珍しくないようです。

そんな演劇を愛する方のために、劇団キンダースペースでは2000年から俳優訓練のためのワークユニットを続けてきました。役者志望から初心者の演劇ファンも参加できる学びの場で、カリキュラムや講義、身体訓練エクササイズなど演劇に必要な基礎を1年かけて習得します。

修了公演では原田さんの演出による20〜30分のモノドラマに挑戦できるとあり、演劇に興味のある方にとっては貴重な体験となるでしょう。修了後は面接の上、劇団員としての活動も可能です。

劇団キンダースペース劇団員の瀬田さん

▲現役劇団員が指導。プロ目線から演劇に必要な発声や表現力を学べる

最近では養成所を卒業した若い生徒のみならず、年齢層が高めの演劇経験者も少なくありません。現在もメンバーを募集しているため、新たな趣味として演劇を始めたい男性はこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

期間 1年間(実質的な活動期間は10カ月)
時間 週4日(午前中の3時間)
内容 ・演技の為のカリキュラムと講義
・身体訓練エクササイズ
・二回の対外公演など
場所 キンダースペースアトリエ
参加費 年間15万円(入所金なし)
お問い合わせ 048-252-0551
ワークユニット紹介ページ http://www.kinder-space.com/index/wu.html

※2024年5月時点。詳細はワークユニットの紹介ページまたはお問い合わせ先にてご確認ください。

2024年秋と2025年2月にオリジナル舞台を公開予定

劇団キンダースペースの舞台に向けたシアターΧの仕込み風景

▲2025年2月のオリジナル作品上演に向けて、劇団ではすでに準備が進んでいる

劇団キンダースペースは年3〜4回舞台を上演しており、2024年は西川口アトリエにてレパートリーシアターVol.53を、2025年2月には東京・両国シアターΧ(カイ)にてオリジナル作品が上演される予定で、すでに劇団員の手によって着々と準備が進んでいます。

この機会に原田一樹さんの独創的な世界観を体感してみてください。

※公演日時やチケット料金などの最新情報は、随時公式サイトに掲載予定です。

劇団キンダースペースの舞台に向けた北とぴあペガサスホールの仕込み風景

▲毎回公演される舞台は劇団スタッフの手によって作られている

劇団キンダースペースの口コミ・感想

幅広い視点で作品を感じられる取り組みにプロフェッショナルな品位を感じます。ワークユニットやワークショップで知見を深めるとより作品が楽しめます。

大人が楽しめる本格派の劇団。劇団キンダースペースオリジナルの「モノドラマ」では、キャラクターの対比など役者さんの繊細な表現力に魅了されました。好みはわかれるかもしれませんがどれを見てもはずれがありません。

役者さんの鬼気迫る表情や身体の動き、声を通じて、人の悩みや弱さなど人間の本質的な部分に触れられた気がします。ビジネスにも役立つ新たな洞察を与えてくれました。

過去に上演した、ノルウェーの劇作家イプセンの『野鴨』では、ラストのあまりにも衝撃的な展開に観客がカーテンコールの拍手をためらう場面が見受けられたそうです。

「役者の妙技が光る」「人間心理の描写が鋭い」など、多くの方が口をそろえてキンダースペースの演劇を高く評価しています。さらに、作品の知見を広げられるワークショップを開催するなど、作品を多角的に深く楽しめることも上質を好む男性に支持される理由の一つだと分かりました。

劇団キンダースペースの基本情報

劇団名 劇団キンダースペース
アトリエ 〒332-0021
埼玉県川口市西川口1-23-3 REGIA 1F
問い合わせ先 048-252-0551
チケット料金 4,000円前後(目安)
※公演により異なります
平均公演時間 1時間半〜2時間程度(目安)
※公演により異なります
公式ホームページ http://www.kinder-space.com

※2024年5月時点。最新の情報はホームページにてご確認ください。