【北上市ドライブデートガイド】野生の白鳥と天空温泉を巡る、大人の癒やし旅

ドライブデートにおすすめの新スポットをお探しの方へ。今回は、雄大な自然と深い歴史が織りなす岩手県北上市の贅沢なドライブコースをご紹介します。北上観光コンベンション協会の菊地さんおすすめのドライブコースです。

11月から3月上旬にかけて優雅な白鳥たちが舞い降りる、風光明媚な岩手県北上市。今回ご紹介するコースは、田園風景の中に佇む入畑ダムや、山々を見下ろす露天風呂がある夏油高原温泉、さらには南部藩と伊達藩の文化が交わる歴史スポットまで、約6時間で効率よく巡れる充実のコースです。そして、ドライブのお供にピッタリの地元ならではの逸品も見逃せません。

都会の喧騒を離れ、ゆったりとした時間の流れる北上で、心に残る思い出を作ってみませんか。

▼今回ご紹介する北上市ドライブスポットの見どころ

岩手・北上の大自然と歴史を巡る贅沢ドライブコース

JR北上駅を起点とした今回のドライブコースは、雄大な自然と歴史、そして地元ならではの味覚を存分に楽しめる、贅沢な旅路です。冬は、田んぼや川辺で餌を探す白鳥たちの姿を間近で見ることができ、写真撮影も楽しめます。秋は山々を彩る紅葉、そして一年を通じて楽しめる温泉や郷土料理など、訪れる季節ごとに異なる魅力に出会えます。

駅前の物産館では、地元の味覚を手軽に楽しめるお土産も豊富に取り揃えています。市内でも販売場所が限られている北上産リンゴのストレートジュースや、白鳥の飛来をモチーフにした繊細な「白鳥クッキー」などが、ドライブのお供には良いでしょう。

約6〜7時間かけてゆっくりと巡る4つのスポットは、それぞれ15〜30分程度の移動時間。ドライブにちょうど良い距離感で結ばれています。ここからは、そんな魅力あふれる各スポットの見どころを、詳しくご紹介します。

スポット1：入畑ダム（JR北上駅から車で約30分）

入畑ダムでは、展望台から雄大な景色を楽しむことができます。現在、安全管理の観点から放水設備近くへの立ち入りは制限されていますが、展望台からの眺望は圧巻です。展望台から撮影した写真を北上市役所隣の管理事務所で提示すると、ダムカードを入手することができるのも、ダムカード収集家には嬉しいポイント。

このエリアでは、自然との出会いも魅力の一つ。カモシカの姿を見かけることが多く、他にも鹿や狐など、多様な野生動物との偶然の出会いを期待することができます。ドライブ中、車窓から目を配るのも楽しみの一つです。

スポット2：夏油高原温泉（入畑ダムから車で約15分）

夏油高原スキー場内に位置する「夏油高原温泉」は、北上の自然を存分に味わえる温泉施設です。ナトリウム泉を源泉とするこの温泉では、この地域特有の泉質を楽しむことができます。

最大の魅力は、山の高台に位置する露天風呂からの眺望です。冬季は一面の雪景色が広がり、まるで天空の湯処にいるかのような感覚を味わえます。特に紅葉シーズンは絶景で、広葉樹の黄色やオレンジの色彩が山々を彩ります。標高が高いため、市街地より約2週間早い10月中旬から紅葉を楽しむことができます。

温泉からさらに奥へ進むと、ブナの原生林が広がる自然豊かなエリアへと続きます。四季折々の表情を見せる森の風景は、都会の喧騒を忘れさせてくれます。日常から離れ、大自然に囲まれた温泉での癒しのひとときは、ドライブコースの中でも特別な思い出となることでしょう。

スポット3：神楽屋（夏油高原温泉から車で約30分）

温泉での湯浴みの後は、趣の異なる2つの食事処をご紹介します。一つは「神楽屋」で味わう本格そば、もう一つは「まるぎゅう」で堪能するきたかみ牛。どちらも地元の食材へのこだわりが光る逸品です。

「神楽屋」では、地元産そば粉100%の十割そばを提供しています。季節の天ぷら盛り合わせとのセットがおすすめで、カラッと揚がった天ぷらと喉越し抜群のそばの相性は抜群です。デザートには意外な驚きが。そば粉を使用した「そばムース」は、クリーミーな食感と揚げそばのカリカリした食感が絶妙なハーモニーを奏でます。そば茶を思わせる香り高い味わいも特徴的です。お土産には、そば粉を使用したマドレーヌなど、和と洋が融合した洗練された焼き菓子もご用意しています。

もっとガッツリ食べたい場合は、地元が誇るきたかみ牛を堪能できる「まるぎゅう」もおすすめ。最高等級A5ランクでありながら、しっかりとした噛みごたえと、しつこくない、さっぱりとした脂の旨味が特徴です。おまかせ盛り合わせには珍しい部位も含まれており、スタッフが丁寧に部位の説明をしてくれるのも魅力の一つ。付け合わせの野菜も、直営農場で育てられた季節の味覚です。春には名産のアスパラガス、その他にも新鮮な玉ねぎや葉物野菜など、地元野菜の美味しさを存分に味わえます。

きたかみ牛の美味しさの秘密は、豊かな牧草地と清らかな水、そして農家の丹精込めた育て方にあります。見た目の良さだけでなく、サッパリとした後味で、何枚でも食べたくなる魅力的な味わいが特徴です。

▲まるぎゅうで食べられるきたかみ牛。しつこくない、さっぱりとした脂の旨味が特徴。

スポット4：北上市立博物館（神楽屋から車で約15分）

北上市立博物館では、この地域ならではの歴史に触れることができます。江戸時代、北上川は物資運搬の大動脈として栄え、南部藩と伊達藩の文化が交わる重要な場所でした。館内には当時の船の模型とともに、北上川を通じて仙台方面への物資輸送に要した日数など、川運の歴史が細かく展示されています。

隣接する「みちのく民俗村」は、より深く地域の暮らしを体感できる野外博物館です。無料で見学できるこの施設には、地域の古民家が当時のままの姿で移設されています。特筆すべきは、南部藩と伊達藩の建築様式の違いです。南部藩エリアでは「南部曲り家」と呼ばれる、厳しい冬を乗り切るため、家族と馬が同じ屋根の下で暮らした独特の建築様式を見ることができます。冬場には馬にくず米を温かく調理して与えるなど、人と馬の共生の知恵も伝えられています。

一方、伊達藩エリアの民家は武家屋敷を思わせる造りで、農家でも格式のある客間を備えた商家風の建築が特徴です。石場（いしば）も当時のまま移設されており、藩境ならではの文化の違いを目の当たりにできます。

運が良ければ、詳しい解説をしてくれるボランティアガイドの方々と出会えることも。事前予約をすれば確実にガイドを依頼することもできます。歴史を肌で感じられるこのスポットは、ドライブの締めくくりにぴったりです。

スポット5｜展勝地レストハウス（北上市立博物館から車で2分）

展勝地レストハウスは、博物館から県道16号線を挟んですぐの場所にあります。ここで提供される餅は、毎朝スタッフが杵と臼で丁寧についた本格的な手作り餅。一年中味わえる名物として、地元の方々にも愛されています。

一番人気は、北上の食文化を象徴する「くるみ餅」。すり潰したくるみと砂糖を絶妙なバランスで練り込んだ餡は、くるみ本来の風味と上品な甘みが特徴です。ごま餡のような滑らかな食感と共に、岩手の人々に愛される伝統の味わいを楽しめます。

季節限定の商品も見逃せません。冬から春にかけては、もち米の風味を活かしたいちご大福が登場。2月頃になると、チョコレート餡といちごを組み合わせた創作餅や抹茶風味の大福も。秋にはシャインマスカット大福、春には桜餅など、季節を感じられる逸品が並びます。

一口サイズの餅が4個ほど入ったセットは手頃なサイズ感で、帰りの電車での車内のお供にも最適です。

北上観光コンベンション協会からのメッセージ

北上の旅の締めくくりには、思い出とともに地元の味も持ち帰りください。JR北上駅前にある北上観光物産館では、たくさんの特産品を揃えています。

地酒のミニボトルや、地元産ブドウから醸造されたワイン、北上の農家さんの米で仕込んだ焼酎「kokokaraきたかみ」など、お酒の種類も豊富です。おつまみには、沿岸部の鯖の燻製チップや岩手県産牛のビーフジャーキーがおすすめ。出張で訪れたサラリーマンの中には、これらを新幹線での"ちょい飲み"のお供に選ぶ方も多くいらっしゃいます。

北上の美味しさの源は、豊かな自然環境にあります。和賀川の清流は山々の雪解け水が源流となっており、その透明度の高さから渓流釣りのスポットとしても人気です。この良質な水と肥沃な牧草地が、先にご紹介したきたかみ牛の味わいを育んでいるのです。

最後に、駅への帰り道には、地元で人気の「喫茶マルク」への立ち寄りもおすすめです。いつも賑わいを見せる人気店なので、空いているタイミングを見計らって訪れてみてください。

北上市のドライブコースのまとめ

北上観光コンベンション協会の問い合わせ先