詩仙堂丈山寺で四季折々の庭園を楽しむ。京都の隠れた名所で心安らぐ

日々喧騒の中で多忙を極めるビジネスパーソン。ときには心落ち着く静寂の空間に身を置き、美しい風景を眺めながら時間を気にせずゆったりと過ごしたい。そんな心の安らぎを求める男性にこそ、訪れてほしい場所が詩仙堂丈山寺です。

京都市左京区に位置し、四季折々の表情を見せる美しい庭園を臨みながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。過去には、英国王室のチャールズ皇太子(現国王)と故ダイアナ妃が訪れたことでも知られています

この記事では詩仙堂丈山寺の魅力や見どころについて、副住職の石川裕之さんにお話を伺い、ご紹介していきます。

詩仙堂丈山寺の魅力:唐様庭園と文人の隠れ家

詩仙堂の全貌 ▲もともと石川丈山が住んでいた山荘を後に寺院化した珍しいルーツを持つ詩仙堂

詩仙堂丈山寺は、京都市左京区にある曹洞宗の寺院です。叡山電車「一乗寺駅」から徒歩15分、都市部の喧騒から離れた自然豊かなエリアに位置します。江戸時代初期に活躍した武将・文人の石川丈山が59歳の時に隠居のために造営した山荘を、後に寺院化したという珍しい起源を持ちます。

もともと石川丈山の住まいであったため、一般的な寺院とは異なる特徴があります。本堂や周辺の墓石がないなど、通常の寺院とは違う姿をしています。そのため、拝観者の中には「良い意味でお寺に来た感じがしない」という感想を抱く方もいらっしゃるそうです。

この独特な経緯と雰囲気は、歴史好きの方々の知的好奇心をくすぐる魅力があります。

詩仙堂丈山寺に到着すると、小有洞(しょうゆうどう)という小さな趣ある門が出迎えてくれます。

詩仙堂の入口▲詩仙堂の入り口、小有洞(しょうゆうどう)。趣ある佇まいで拝観者を出迎えてくれる

小有洞をくぐり抜けて石段を登ると、詩仙堂の建物が眼前に現れます。その先に詩仙堂丈山寺の名物でもある唐様庭園(※)が広がります。
※唐様庭園(からようていえん)-中国(唐)をイメージした庭園のこと

詩仙堂丈山寺は「凹凸窠」(おうとつか)と呼ばれ、でこぼこした土地に建てられています。この立体的な地形が、詩仙堂ならではの唯一無二の庭園を生み出しています。

凹凸窠の中心には「詩仙の間」があります。ここには、江戸時代の絵師・狩野探幽が描いた中国の漢晋唐宋時代に活躍した詩人36名の肖像画が掲げられており、これにちなんで詩仙堂と呼ばれるようになりました。

四季折々の庭園美:ビジネスパーソンの心を癒す空間

紅葉した庭園と詩仙堂▲紅葉のシーズンは多くの拝観者で賑わう詩仙堂、その美しい景観で心が洗われる

自然豊かで様々な種類の草花が咲く詩仙堂丈山寺の庭園。とりわけ5月下旬ごろに咲き誇るサツキと秋の紅葉が有名で、その絶景を求めて多くの拝観者が訪れます。しかし、一年を通じて四季折々の草花が咲き誇り、訪れる人々を迎え入れてくれます。季節ごとに異なる表情を見せてくれるため、何度も足を運ぶリピーターが多いのも納得できます。

美しい草花に彩られた庭園の景色を眺めるだけでも心が浄化され、穏やかな気持ちになれます。日々の仕事に追われ多忙を極めるビジネスパーソンにこそ、この癒しの空間を訪れてほしいと思わせる景観が広がっています。

カメラ片手に楽しむ庭園散策:写真愛好家必見のスポット

詩仙堂の庭園にある可愛らしい地蔵▲庭園では可愛らしい小さなお地蔵さんがお出迎え。心和む瞬間を味わえる

詩仙堂丈山寺の庭園は散策することができます。ゆっくりと歩きながら、四季折々の風情ある景色を楽しむ時間は、心身ともに癒される貴重なひとときとなるでしょう。

写真愛好家の男性は、ぜひカメラを持参することをおすすめします。庭園全体の景観や美しい植物、詩仙堂の趣ある建物など、多様な被写体が揃っています。そのため、カメラ好きの男性が写真撮影を目的に訪れるケースも多いとのことです。

自由に歩き回りながら、ベストショットを追求する時間は、カメラ愛好家にとって至福のひとときとなります。心ゆくまで写真撮影を楽しむのもおすすめの過ごし方です

静寂の中で過ごす贅沢な時間:座敷からの庭園鑑賞

雪化粧した庭園▲雪化粧した庭園を座敷から眺める。四季の移ろいに応じて様々な表情を見せてくれる

散策をした後は座敷に上がってひと休み。庭園の景色を眺めながらゆったりと過ごすことができます。その居心地の良さから、2時間近く座敷でくつろぐ方もいるそうです。

喧騒から離れた空間でリラックスでき、時折聞こえる鹿おどしの心地良い響きがより一層その静けさを引き立てます。石川丈山も同じ風景を眺めながら詩歌づくりに没頭していたことでしょう。当時の情景に思いを馳せながら石川丈山の気持ちになってみると、感性豊かな言葉が浮かんでくるかもしれません。

日常生活ではなかなか味わえない、心が豊かになる体験ができそうです。

詩仙堂の門構え ▲侘び寂びを感じる門構えに思わず見惚れてしまう。門だけを切り取っても実に絵になる詩仙堂

詩仙堂丈山寺は京都市内にあるものの、都心部から少し離れた自然豊かなエリアに位置します。近年、インバウンドの影響で世界中の観光客が京都を訪れ、有名な寺社仏閣などの観光スポットは多くの人で賑わっています。しかし、詩仙堂丈山寺は多くの海外観光客がまだ発見していない穴場スポットで、混雑の影響はほとんど感じられないそうです。

京都通が好んで訪れる詩仙堂丈山寺を家族旅行やデートプランに組み込めば、旅の満足度がより一層高まることでしょう。

心の安らぎを求めて京都を訪れたのに、人の多さで逆に疲れてしまったという話を耳にすることがありますが、詩仙堂丈山寺ではそのような心配は無用です。心地良い静けさの中で、美しい庭園を散策したり、座敷でゆっくり過ごしたり、また丈山ゆかりの展示物を眺めてみたりと、思い思いにお過ごしください。きっと詩仙堂丈山寺が日々の疲れを癒してくれることでしょう。

訪れた人々の声:詩仙堂丈山寺の魅力と評判

静寂な環境と美しい庭園の中で贅沢なひとときを楽しむことができました。心が落ち着く素晴らしい空間でした。

紅葉シーズンに訪れました。まるで加工写真のように鮮やかな紅葉やセンリョウの実に感動しました。それだけでなく、小さな菊やすすきも庭を彩っており、とても満足でした。

どの季節に行っても素敵な庭園を拝観でき、いつまでも居続けたくなるような見どころ満載のお寺です。四季折々の美しさが楽しめます。

春夏秋冬それぞれの風情を味わえる庭園だと思います。今回は秋に訪れましたが、他の季節にも訪れて、異なる景色を楽しみたいと感じました。

庭園が有名な詩仙堂ならではの特徴として、美しい景色や心の癒しを求めて多くの方が訪れているようです。一度訪れるだけで満足してしまう観光地は多くありますが、詩仙堂丈山寺は一度訪れたら今度は違う季節に訪れてみたいと思わせてくれる魅力があります。多くの人々を魅了する、この四季折々の表情を見せる庭園を、ぜひ自分の目で直接眺めてみたいものですね。

詩仙堂丈山寺訪問ガイド:アクセスと施設情報

所在地 京都市左京区一乗寺門口町27番地
電話番号 075-781-2954
開門時間 午前9時~午後5時
(受付終了 午後4時45分)
拝観休止日 5月23日
拝観料 大人 700円、高校生 500円、小中学生 300円
公式ページ https://kyoto-shisendo.net/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。