東京・青梅市ドライブデートガイド！天空の集落と猫の街を巡る非日常な1日旅

心躍るドライブデートのプランをお探しの方へ。今回は、都心からわずか1時間でアクセスできる東京都青梅市の魅力的なドライブコースをご紹介します。青梅市観光協会の吉田さんおすすめの、絶景スポットを巡る特別なコースです。

標高929mの御岳山山頂に鎮座する武蔵御嶽神社から、神秘的なロックガーデン、150年以上の歴史を誇る酒蔵、そして「西の猫町」として知られる情緒ある街並みまで。山と町、それぞれの表情を楽しめる、約6時間のドライブプランをご用意しました。

澄んだ空気と豊かな自然、歴史ある建造物、地元グルメ、レトロな街並みと、様々な魅力が詰まった青梅市で、特別な思い出を作ってみませんか。

▼今回ご紹介する青梅市ドライブスポットの見どころ

青梅市で楽しむ癒やしの1dayドライブコース

東京都青梅市は、雄大な自然と歴史が織りなす、魅力的なエリアです。御岳山の山頂を目指すこのコースでは、車での移動に加え、山頂まではケーブルカーを利用し、徒歩での散策も楽しむ、変化に富んだコースとなっています。ケーブルカーは1時間に2〜3本の運行のため、時刻表をチェックしてゆとりを持った行動を。
※ケーブルカーの時刻表・運賃（御岳登山鉄道）

山頂では関東平野を一望できる武蔵御嶽神社で荘厳な雰囲気に包まれ、続くロックガーデンでは、渓流のせせらぎを聞きながら原生林の中を散策できます。その後は、老舗宿坊での御岳山名物を堪能し、世界的に評価の高い地酒が楽しめる酒蔵へ。最後は昭和レトロな雰囲気漂う路地裏散策で締めくくります。

それでは、青梅の魅力が詰まった5つのスポットを、その見どころや楽しみ方と共に、詳しくご紹介していきましょう。

スポット1：武蔵御嶽神社（御岳山駅から徒歩で約35分）

ドライブデートでまず向かうのは標高929mの御岳山（みたけさん）山頂にある武蔵御嶽神社（むさしみたけじんじゃ）。

標高929mの山頂を目指す旅は、まず青梅駅から車で滝本駅へ。駐車場に車を止めたら、いよいよケーブルカーでの空中散歩の始まりです。窓の外に広がる青梅の山々を眺めながらの6分間。

御岳山駅に降り立った後は35分ほど歩いて神社へと向かいますが、その道のりもまた御岳山ならでは。今でも約150人もの人々が暮らす御岳山には、「天空の集落」と呼ばれる街並みがあり、江戸時代から続く宿坊を中心に、趣のあるカフェや小さな店が点在します。整備された舗装路（参道）は、ゆったりとした散策にぴったり。歴史と暮らしが息づく町並みを楽しみながら、神社への期待が高まります。

そして武蔵御嶽神社で出会うのは、息をのむような絶景の数々。荘厳な本殿でお参りを済ませ、振り返った時の眺望は圧巻です。遠く筑波山から横浜ランドマークタワー、相模湾まで、関東平野が一望のパノラマとなって広がります。特に空気の澄んだ冬季には、東京スカイツリーや新宿の高層ビル群まで、まるで手に取れそうな鮮やかさで眺められます。

この由緒ある神社には、他にも心温まる魅力が隠されています。全国でも珍しい「おいぬ様」を祀る神社として知られ、その由来は日本武尊（やまとたける）にまつわる心温まる伝説に遡ります。道に迷った日本武尊を導いた日本オオカミへの感謝が、現代では愛犬たちの守り神として受け継がれているのです。境内には犬専用のお祓い所が設けられ、愛犬のための特別な御札やお守りも用意されています。週末ともなれば、大切な家族と一緒にお参りする愛犬家の姿も。嬉しいことに、ケーブルカーもペットOKなので、愛犬と共に特別な山頂の旅を楽しむことができます。

スポット2：ロックガーデン･御岳岩石園（武蔵御嶽神社から徒歩で約30分）

神秘的な武蔵御嶽神社を後にすると、そこには全く異なる表情の自然が待っています。渓流に寄り添うように続くロックガーデンは、まるで太古からの時を刻む岩々が私たちを森の奥深くへと誘う、神秘的な空間。本格的な大自然でありながら、往復60～80分という手軽な距離で道も歩きやすく整備されているため、普段あまり運動をしない人でも楽しめます。

苔むした岩々の間を縫うように続く遊歩道は、まるで太古からの物語を紡ぐよう。清らかな沢のせせらぎをBGMに、原生林の木漏れ日を浴びながら歩く片道約1.5キロの道のりは、都会の喧騒を忘れさせてくれる特別な時間です。

特に秋の訪れとともに、この遊歩道は格別の表情を見せてくれます。赤や黄色に染まった木々が渓流に映り込み、まるで自然が描いた一枚の絵のような景色が広がります。岩と渓流、紅葉が織りなす風景は、写真愛好家たちの間でも人気のスポット。ただし、自然の美しさに見とれすぎて、足元をおろそかにしないよう注意が必要です。むしろ、ゆっくりと一歩一歩進むことで、森の息吹や空気の澄んだ清々しさを、より深く感じることができるでしょう。

遊歩道の終点に待つ「綾広（あやひろ）の滝」は、このトレッキングのハイライト。豊かな水量を誇る滝からは、たっぷりのマイナスイオンが放出され、心身ともにリフレッシュできる特別な場所です。

服装は、安全で快適な散策のために、トレッキングシューズか履き慣れたスニーカーがベスト。ハイヒールやビーチサンダルは避けたほうが無難です。

スポット3：山香荘（ロックガーデン･御岳岩石園から徒歩で約5分）

ロックガーデンの散策から戻り、武蔵御嶽神社の参道近くまで戻ったら、次に向かうのは山頂にある宿坊街。参道近くから宿坊街までは徒歩で約5分ほどの距離です。

御岳山にある宿坊はどれも魅力がありますが、今回はその中から100年以上の歴史を重ねた老舗宿坊「山香荘（さんこうそう）」をご紹介します。

山香荘で食べられるのは、御岳山の味覚を楽しめる二つのセットメニュー。香り高い蕎麦かふっくらと炊き上がる釜飯から選ぶことができ、2,000円を下回るお手頃価格で提供されます。

中でも特筆すべきは、どちらのセットにも御岳山の誇る名物「こんにゃく」が添えられていること。御岳山にある宿坊はそれぞれが山の上に畑を持ち、丹精込めて育てたこんにゃく芋から「こんにゃく」を手作りしていますが、山香荘のランチでは、その手作りこんにゃくも味わえます。

ちなみに、御岳山で唯一の温泉を持つ宿として知られる山香荘では、この料金で食事と温泉入浴がセットになっているのも嬉しいポイント。日帰りでも気軽に立ち寄れる温泉は、山歩きの疲れを癒やしてくれる極上の贅沢です。

山香荘の魅力は、料理だけではありません。山香荘に一歩足を踏み入れると、木の香りが漂う廊下、時を経た欄間の装飾、季節の花が活けられた床の間など、どこを見ても日本の美意識が息づく空間が広がっています。この趣深い宿は、名だたる作家・浅田次郎氏のゆかりの地としても知られ、浅田氏の母の実家という特別な縁を持つ場所。今でも時折、浅田氏自身が宿泊に訪れるという逸話も、この宿の格式の高さを物語っています。フロントに足を踏み入れると、厳選された焼き物や器など、数々の美しい調度品が目を楽しませてくれます。

山頂での徒歩の旅はここで終わり、ここからはケーブルカーで下山します。ケーブルカーの駅「御岳山駅」まで向かい、車を止めている滝本駅で車に乗りかえたら、次のデートスポット小澤酒造へと向かいましょう。

スポット4：小澤酒造（滝本駅から車で約10分）

滝本駅で車に乗りかえ走ること約10分、150年以上の歴史を誇る小澤酒造へと向かいます。都内最西端に位置するこの酒蔵は、「澤乃井（さわのい）」の銘柄で多くの日本酒ファンを魅了してきました。蔵見学ツアー（要予約）では、杜氏たちが受け継いできた伝統の技と、酒造りにかける情熱に触れることができます。

酒造りへのこだわりは、数々の受賞歴からも垣間見えます。看板商品である「澤乃井」は、イタリア・ミラノで開催された国際的な酒類品評会でゴールド賞に輝いた逸品（※）。日本の伝統と技が生み出す至高の一滴は、世界の舌をも魅了しています。
（※）参考：ミラノ酒チャレンジ2024受賞酒発表

酒蔵が大切に育んできた、もうひとつの宝物。それは「清流ガーデン澤乃井園」と呼ばれる、渓谷沿いのカフェテラス。多摩川の清流が奏でる水音をBGMに、酒蔵自慢の仕込み水で作られた豆腐料理に舌鼓を打ち、香り高いコーヒーで一息つく。そんな贅沢なひとときを過ごせる特別な場所です。紅葉シーズンには渓谷の彩りが目を楽しませ、真夏には涼やかな川風が心地よい避暑スポットへと変貌します。予約不要で気軽に立ち寄れる上、広々とした駐車場も完備されているので、ドライブの休憩にも最適です。

この他、園内にあるカフェ「雫」でティータイムもおすすめ。澤乃井の仕込み水で丁寧に淹れた香り高いコーヒーや、パティシエ渾身の自家製ショコラ、サクサクのフロランタンなど、繊細な甘味の数々が、渓谷の景色と共に心に染み入る味わいを演出します。

スポット5：住吉神社（小澤酒造から車で約15分）

ドライブデートの締めくくりに訪れるのは、青梅市の文化的シンボルとして街の中心に佇む住吉神社。

「東の猫町」として知られる谷中・根津とは違う魅力を持つ「西の猫町」、青梅。その独自の猫文化は、この地の織物産業と密接に結びついています。かつて機織りの町として栄えた青梅では、大切な反物をネズミから守るため、猫を大切にしてきました。そんな青梅市の文化を表しているのが、この住吉神社なのです。

そんな住吉神社の山門脇に鎮座する招き猫像「阿於芽猫祖神（あおめびょうそじん）」は、この街の守り神的存在。小柄ながらも愛らしい姿で、右手で金運を、左手にはマタタビを持つという遊び心のある造形が、訪れる人々の心を和ませています。拝殿に目を向けると、厳かな狛犬の傍らには、商売繁盛の神・恵比寿と福の神・大黒天が猫の姿で祀られており、縁起物としての人気を集めています。

神社を中心に広がる街並みもまた、訪れる価値のある見どころです。機織りの町の名残を留める間口の狭い町家が建ち並び、複雑に入り組んだ路地が独特の雰囲気を醸し出しています。かつて「七曲がり」と呼ばれたこの路地は、そこかしこに配された猫のオブジェや愛らしい看板により、今では「にゃにゃ曲がり」の愛称で親しまれています。

この昭和の息吹を感じさせる路地裏には、猫モチーフのアート作品が溶け込むように点在しており、その独特の景観は数々のドラマや旅番組のロケ地としても注目を集めています。住吉神社を起点に、徒歩でゆったりと散策できる距離に見どころが凝縮されており、猫好きはもちろん、懐かしい街並みや文化に触れたい人々の心を癒やす特別なスポットとなっています。

青梅市観光協会からのメッセージ

今回ご紹介したのは、絶景に心癒される散策、美食までを一日で楽しめる贅沢なモデルコースです。

週末にドライブデートを楽しむなら、住吉神社周辺にある昭和レトロ商品博物館にもぜひお立ち寄りください。週末限定でオープンする博物館で、懐かしのマッチ箱やコーラの缶、グリコのおまけ、昔ながらの生活用品まで、まるでタイムスリップしたかのような空間が広がります。歴史を感じさせる趣のある建物内は、20～30分ほどでゆっくり見学可能です。

非日常を体験できるレトロな街・青梅市をお楽しみいただければ嬉しいです。

青梅市ドライブコースのまとめ

青梅市観光協会の問い合わせ先