ビジネスマンの皆さんは、茶道と聞くと「作法が難しそう」「敷居が高い」といったイメージを持っているかもしれません。しかし、実は茶道に触れることは、伝統文化の体験にとどまらず、ビジネスに役立つスキルを磨く機会にもなるのです。
今回ご紹介するのは「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室です。同会は茶道文化の国内外への普及と人材育成を目的として活動しており、「多くの人に茶道文化を身近に感じてもらいたい」という思いから、男性も参加しやすい教室を設けています。
茶道・日本文化を学ぶ過程で身につく礼儀作法や気配りの精神は、ビジネスシーンでも大いに活用できます。ここで学べる作法や相手を気遣う力は、同僚やクライアントとのコミュニケーション、重要な商談、さらには海外のビジネスパートナーとの交流などにも活きてくるのです。
本記事ではそのような対人関係のスキルを磨きたいビジネスマンに向け、「三徳庵 大日本茶道学会」の特徴やクラスの内容について本部教場・教場長の田中仙融さんに詳しく伺いました。
この記事の目次
茶道の精神を後世に伝える「三徳庵 大日本茶道学会」
「三徳庵 大日本茶道学会」は茶道の流派の一つです。創設者である田中仙樵(せんしょう)氏の理念に基づき、先人の茶道の精神性と技法を時代の流れに照らし合わせながら研究・公開していくことで、後世に伝えていくことを目指しています。
現在、本部教場のほかに全国各地に支部組織を運営。茶会や体験教室を積極的に開催することで、多くの方に先人が伝えようとした、ひとつひとつ意味のある茶道の所作やその心の原点を身につけ実践できるように日々指導をしています。
「三徳庵 大日本茶道学会」の男性向け教室は基礎から学べ初心者も安心
「三徳庵 大日本茶道学会」が開催している茶道教室の男性向けクラスは、有資格者だけでなく茶道を始めたばかりの方もいます。
一般的な茶道の稽古は一対一などの個人指導で進むことが多いですが、このクラスでは茶歴の長い先輩とも一緒に稽古をすることで、より幅広く深い注意やアドバイスを耳にできます。上級者の点前を通して学ぶことも多く、自分の所作や知識を見直すきっかけにもなるのです。
疑問があれば、質問をする時間も設けられています。茶道経験がなくても安心して通えます。点前だけでなく、茶道の基本的な考え方や心得など、幅広い知識を学べるからです。
まずは、客として茶室でゆったりと床の間の雰囲気を感じて菓子や茶を味わってもらうことから始まります。続いて、茶室の入室前に手水鉢(※)で身を清めることや入室後は掛け軸など部屋のかざりを拝見する作法、畳の上の歩き方や心得、挨拶の時の扇子の扱い方など、茶室で必要となる作法や立ち居振る舞いとその意味を習います。その後、実際に茶筅で抹茶を点てる方法や手順を覚えていきます。
(※)手を洗うための水が入った鉢
また、茶道の道具やひとつひとつの所作、床の間の作り、空間を飾る調度品などの背景や歴史についても説明を受け、知識が得られるのも教室の魅力の一つです。
顧客の好印象につながる!仕事で活かせる「三徳庵 大日本茶道学会」の学び
近年、大河ドラマの影響で歴史や戦国武将に興味を持つ人を中心に、男性の茶道への関心が高まっていると言われています。「三徳庵 大日本茶道学会」の田中さんによると、かつての有力者たちの社交の場であった茶道の文化は、現代のビジネスシーンにも応用できるとのことです。
茶室では、日常では気に留めていないような小さなふるまいが、相手の印象を変えていきます。歩き方一つとっても、常に同じではありません。
例えば、普段は「背筋を伸ばして」と教わりますが、狭い席で客の近くを背筋を伸ばして歩けば、客を見下したような振る舞いに受け止められます。そのため、自分が少し膝を緩めて低い姿勢で振る舞うなど、相手や場所に応じて変化をつける必要があります。
こういった作法を身につけることで、ビジネスシーンのどんな場面でも自然と適切な振る舞いが出来るようになります。
さらに、茶道を通じて身につく「ありがとうございます」「おいしゅうございます」「お先にどうぞ」「お相伴」といった丁寧な言葉遣いが自然に出てくるようになれば、同僚やビジネスパートナーに好印象を与えられるでしょう。
加えて、茶道で養える洞察力もビジネスでは大いに活かせます。
狭い茶室で人と心地よく過ごすためには、適切な人との距離感を測る力が求められます。この能力を応用すれば、相手との距離、会場の広さ、人の多少に対して適切な対応が取れるようになり、ビジネスシーンでのプレゼンテーションやスピーチの際に役立ちます。聞き手の反応を見ながら話す速さや声のトーンを調整する、理解が不十分そうな箇所は補足する、適切なタイミングで休憩を入れるなどと聞き手にとってより心地よく、分かりやすい話し方ができるようになるはずです。
また茶室では、客の表情や仕草からお茶の温度や濃さを配慮します。茶室に慣れていない方が正座に疲れている様子なら、座り方を変えることを勧めるなど、行き届いた気配りをします。この気配りは、ビジネスシーンでは同僚やクライアントの感情を読み取る力につながり、打ち合わせや商談で良い雰囲気を作り出すのに活用できるでしょう。
茶道の心得は、海外ビジネスパートナーとの関係構築にもプラスに
茶道を通じて日本文化への理解を深めることは、国際的なビジネスシーンでも大きなプラスになります。茶道は日本の象徴的な文化の一つとして、海外でも関心を集めています。特に、日本文化に興味がある外国人の間では、抹茶をたてて飲むことも注目されています。
仕事帰りにそのまま通える「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室
「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室は、月1回約2時間の受講で4ヶ月ほど通えば、お茶の点て方など簡単なお点前は身に付けられるようになるそうです。これなら、仕事で忙しくて教室に通える時間が限られている男性でも、無理なく続けられそうですね。
「茶道教室に通うには、道具や服を揃えなくてはいけないのでは…?」と不安に感じている男性も、ご安心ください。「三徳庵 大日本茶道学会」では、帛紗、懐紙、扇子のように個人個人で使う道具以外は、会館に備え付けてあるので、茶道具を持っていない方でも安心して稽古を始められます。
服装については、白いソックス、長袖の着用がおすすめとのこと。また、正座する時に膝が擦れてしまう可能性があるため、ゆるめのパンツを履き、ゆったりとしたシャツを着れば所作がしやすくなります。この服装であれば、仕事着のままでも教室に通うことができるので、仕事帰りに立ち寄りやすいですね。
男性向け教室は少人数制。オーダメイドの指導が受けられる
男性向けクラスは月2回の開講で、参加人数は5〜6人(2024年9月現在)と、少人数制となっています。そのため、「まずはお茶を点てられるようになりたい」「礼儀正しい振る舞いを身に付けたい」といった個別のニーズに応じて、オーダーメイドのような指導も受けられます。
ちなみに、50~60代の受講生が多いそうですが、20~30代の方の参加も歓迎だそうですよ。
「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室の口コミ・評判
「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室に関する口コミや評判を以下にまとめました。
なかなか茶道を学ぶ機会がなかったのですが、大日本茶道学会の茶道教室を知り思い切って飛び込んでみたらとても楽しく、茶道のイメージが変わりました。また、日本の伝統文化の美に触れるのには最適な場所だと感じています。
学識のある先生方に素晴らしいご指導を受けられる点がいいですね。本気で学びたい者の気持ちをきちんと受け止めてくれて嬉しかったです。
本格的なお稽古だけではなく、初心者向けの講座や各地でのカルチャースクールなど、茶道を学べる場をたくさん用意してくれているところが、敷居が低くて良いなと思いました。
「三徳庵 大日本茶道学会」の茶道教室は、茶道を身近に感じられる場所であることがわかりました。また、先生方の豊富な知識と、親切な指導方法も高く評価されています。初心者から本格的な学びを望む人まで、幅広いニーズに応えているようです。
「三徳庵 大日本茶道学会」の男性向け茶道教室の料金
「三徳庵 大日本茶道学会」男性クラスの体験料金や開催日時などは以下の通りです。
体験料金 | 1回10,000円 |
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開催日時 | 第3、4水曜日 18:00から2時間ほど |
場所 | 大日本茶道学会本部教場(東京都新宿区左門町20番地) |
※料金は税込み
申し込みは、電話(03-5379-0753)またはメールフォームで受け付けています。
基本情報
運営団体 | 公益財団法人三徳庵 |
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本部所在地 | 東京都新宿区左門町20番地 |
電話番号/FAX | 03-5379-0753(代)/03-3351-2762 (電話応対時間は、月曜日から土曜日の8:30~17:00まで) |
公式サイト | https://santokuan.or.jp/ |