【石川県白山麓ドライブデート】 江戸時代の古民家と雪化粧の名峰を巡る絶景コース

ドライブデートにおすすめのエリアをお探しの方へ。今回は、石川県が誇る名峰・白山の麓に広がる白山麓地域をご紹介します。豊かな自然と歴史が織りなす絶景スポットを巡るこのエリアは、日常から離れて特別な時間を過ごしたいカップルにぴったり。白峰観光協会の山口さんおすすめのドライブコースです。

江戸時代から受け継がれる伝統的な町並みや、国内最大級の古民家、そして雪をまとった白山の雄大な姿まで。見どころの数々をゆったりと巡る充実のコースです。各スポット間の移動時間も無理のない設定で、快適なドライブを楽しめます。

▼今回ご紹介する白山麓ドライブスポットの見どころ

白山麓地域ドライブコース

石川県白山市の白山麓地域は、豊かな自然と歴史が調和した、上質なドライブデートが叶うエリアです。四季折々の表情を見せる白山の絶景、国の重要伝統的建造物群に選定された白峰地区の歴史的な町並み、地域ならではの名物グルメなど、見どころ満載のコースとなっています。

移動の合間には、清流のせせらぎに耳を傾けたり、渓谷の絶景に目を奪われたり、心癒される時間が自然と訪れます。

それでは、この贅沢な時間の旅となる各スポットの魅力を、詳しくご紹介していきましょう。

スポット1：石川県立白山ろく民俗資料館（白峰特産品販売施設 菜さいから車で約5分）

最初に訪れる「石川県立白山ろく民俗資料館」は、江戸時代末期から明治初期にかけての貴重な古民家6棟を一つの敷地内で見学できる、まるで小さな集落のような資料館です。

特に注目すべきは、石川県最大級の木造建築として知られる「杉原家」。延べ床面積1,109平方メートルという大きな家屋に12もの部屋を有し、すべて自家の山から切り出した木材で建てられた3階建ての商家です。2階で、窓越しに写真を撮ると集落の家や茅葺屋根を収めることができます。

浄土真宗の道場として使われていた「表家（おもてけ）」は、茅葺き屋根が特徴的です。お寺とは異なり、地域の人々が自主的に仏教を学び、お参りを行った場所として、当時の信仰生活を今に伝えています。

また、「尾田家（びたけ）」は、昔ながらの持続可能な暮らしを体感できる貴重な建物です。こちらの建物では、すべてを自分たちの手で作り上げた先人たちの知恵と工夫が随所に見られます。手作りすることで物を大切にする心が育まれるという、現代のSDGsにも通じる生活の知恵を学ぶことができます。

日曜日には杉原家の1階の囲炉裏に火が入り、運が良ければスタッフからお茶や郷土料理の「かまし」をふるまわれることも。また、石川県立白山ろく民俗資料館付近では、古民家と自然が織りなす風景を写真に収めることができますよ。

歴史的建造物や昔ながらの暮らしに興味がある方はもちろん、知識がない方でも十分に楽しめる、白山麓の文化を今に伝える施設です。

スポット2：白峰重要伝統的建造物群保存地区（石川県立白山ろく民俗資料館から車で約5分）

次に訪れるのは、山村の養蚕集落として重要伝統的建造物群保存地区に選定された白峰地区です。この町並みには、江戸時代末期から明治期にかけての独特な建築様式が今も息づいています。

集落の特徴的な建物は、1階が生活空間、2階が養蚕の作業場、そして3階が物置という用途で建てられた、四角い形状をしています。外観は雨から土壁を守るため、板が張られた造りになっています。特筆すべきは、これらの建物が田舎によく見られる離れ家ではなく、まるで町場のように建物同士が並んでいるという珍しい町並み。このデザインは集落全体で統一されており、一見新しそうに見える建物も、実は100年以上の歴史を持つものがほとんどです。

見どころの一つが「白山下山仏（はくさんげさんぶつ）」と呼ばれる仏像です。これらは明治時代まで白山山頂などに安置されていた仏像たちで、下山後にこの地に集められました。民俗資料館で事前に解説を読んでから訪れることで、白山への理解がより深まることでしょう。

町歩きの際は、「白峰温泉 総湯」の駐車場が便利です。ここを拠点に、町並み散策、お食事、寺院巡りなどを楽しむことができます。より深く歴史を知りたい方には、NPO法人白山しらみね自然学校のガイドツアーがおすすめ。地域の歴史や文化について、詳しい解説を聞きながら町歩きを楽しむことができます。

スポット3：雪だるまカフェ（白峰温泉総湯駐車場から徒歩で約5分）

白峰重要伝統的建造物群保存地区を散策したあとは、雪だるまカフェでランチがおすすめです。ここでは、白山麓の名物「手取川ダムカレー」（1,500円）が堪能できます。見た目のインパクト、絶品の味わい、そして食べる楽しさが三拍子揃った一品です。

手取川ダムを模したライスは堤体をイメージ。その横には、恐竜の足跡をイメージしたハンバーグが添えられ、さらに白山をかたどった三角形の堅豆腐も特徴的です。野菜もたっぷりと添えられ、栄養バランスも◎。カレーはスパイシーな味わいで、ボリュームたっぷりです。

食べ方も工夫が凝らされており、ダム工事をイメージしたスコップ型のスプーンで、ライスの堤体を崩していきます。すると、カレーが「放流」のように流れ出す仕掛けに。さらに、特注の白山焼で提供されるこのカレー、完食すると器の底に恐竜などの絵柄が現れます。

カフェでは、白山麓の伝統的な名産品・堅豆腐を使用した豆腐料理など、その他のメニューも充実。地元の食材を活かした料理を楽しむことができます。

スポット4：白山高山植物園駐車場（景色）（雪だるまカフェから車で約20分）

白山高山植物園駐車場は、360度のパノラマビューを楽しめる絶景スポットです。ここからは白山連峰の雄大な姿を一望することができ、自然景観が織りなす壮大な風景を楽しむことができます。

特に見どころは、10月中旬から翌年6月頃まで続く雪をまとった白山の姿。プロのカメラマンも多く訪れる人気スポットで、望遠レンズで撮影すれば山頂の詳細な様子まで捉えることができます。6月下旬から7月には、約50種、10万株の高山植物が咲き誇り、白山の固有種も観察できる貴重なスポットとなります。（※冬の道路積雪期は通行止め）

観光協会イチ押しの季節は10月下旬から11月。麓の紅葉と山頂の白銀のコントラストが美しく、特に夕暮れ時には、澄んだ空気を通して白い雪山が夕陽に染まる神秘的な風景を堪能できます。この時期には多くの写真愛好家が訪れ、絶景を求めてシャッターを切る姿が見られます。

スポット5：百万貫の岩（白山高山植物園駐車場から車で約25分）

白山麓ドライブデートの締めくくりは、昭和9年の大洪水の際に土石流で流れ着いた巨大な自然の造形物、百万貫の岩へ。高さ16メートルを誇るこの巨岩は、名前の由来となった100万貫（約4,000トン）を上回る128万貫もの重量があることが後の調査で判明しました。その存在感は圧巻で、小松空港発着の飛行機からも確認できる日本でも稀有な巨岩です。

白山高山植物園駐車場から車で約25分ほどの場所に鎮座するこの岩は、周辺の渓流とともに心地よい憩いの空間を作り出しています。飛び石を使って近くまで行き、至近距離で巨石の壮大さをより身近に感じることもできます。

この場所の魅力は、都会では味わえない自然との触れ合いにあります。岩の周辺には腰掛けられる場所があり、清流に足を浸しながらゆっくりと時を過ごすことができます。特に外国人観光客や都会からの来訪者には、透明な渓流で足を冷やす体験が人気です。

アクセス可能期間は通常5月下旬から11月中旬までですが、2025年3月現在は水害の影響で整備中のため、訪問前に最新情報を確認することをおすすめします。春の新緑、夏の水遊び、秋の紅葉と、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。特に6月から10月頃は水遊びに最適で、カップルや家族連れが渓流での癒しのひとときを楽しむ姿が見られます。

白峰観光協会からのメッセージ

ドライブコース途中には、立ち寄りたくなる魅力的なスポットが点在しています。金沢方面からのアクセスでは、手取峡谷が見どころの一つ。一般的な峡谷と異なり、平地に位置するという珍しい地形で、深さ約30メートルの断崖絶壁から落ちる滝は、水しぶきが綿のように美しく舞い上がる様子から「綿ヶ滝」と名付けられています。

また、白山を御神体とする白山比咩神社は、縁結びの神様として知られる由緒ある神社。カップルでの参拝やおみくじは、さらなる縁を深める特別な体験となることでしょう。

お土産は、白峰を代表する銘菓「栃餅」がおすすめです。志んさ本舗（しんさほんぽ）で作られるこの栃餅は、栃の実と餅のみを使用した無添加の生菓子。柔らかな食感と素材本来の味わいを大切にしているため賞味期限は短めですが、その分、純粋な美味しさを楽しむことができます。地元の方も「日本一」と太鼓判を押す逸品で、遠方から買い求めに来る方も多いとか。なお、白峰特産品販売施設 菜さいでも購入可能です。

白山麓ドライブコースのまとめ

白峰観光協会の問い合わせ先