【遠野市ドライブデート】民話の世界と古民家図書館で味わう大人のスローな時間

岩手県遠野市で心癒される大人の休日を過ごしませんか。今回は遠野市観光協会の菊池さんおすすめの特別なドライブコースをご紹介します。

岩手県南東部の内陸に位置する遠野市は、柳田國男の『遠野物語』の舞台として知られるまち。遠野物語にも登場する河童や座敷童子などの民話が古くから伝わります。今回のドライブコースではそんな民話の世界が楽しめる施設や、古民家を活かした図書施設、地元グルメやカップルに人気のフォトスポットを巡ります。

大人のカップルにこそ味わっていただきたい、遠野の文化と自然に触れるルートです。

▼今回ご紹介する遠野市ドライブスポットの見どころ

遠野市の歴史と文化に触れるドライブコース

遠野駅を起点に巡る約4～5時間のドライブコースは遠野市の歴史と文化、そして美しい景観を楽しむプランになっています。各スポット間の移動時間も短く、それぞれの場所でゆったりと過ごせます。

まずは「とおの物語の館」で地元の語り部による昔話に聴き入りましょう。「こども本の森 遠野」で壁一面本棚の圧巻の眺めを楽しんだ後は、遠野のソウルフード、ジンギスカンをいただきます。その後、カップルに人気の卯子酉（うねどり）神社を経て、最後は宮守川橋梁（みやもりがわきょうりょう）で絶景を楽しみます。

それでは遠野市が誇る魅力的なスポットを順番に紹介していきましょう。

スポット1：とおの物語の館（遠野駅から車で約1分）

今回のドライブデートの最初の目的地は「とおの物語の館」です。遠野の民話や昔話、文化などに触れられる複合施設となっています。

かつての酒蔵を改装した「昔話蔵」に一歩足を踏み入れるとそこには昔話の世界が広がります。館内にレイアウトされた昔話をモチーフにしたオブジェに近づくと、その物語にまつわる映像や音声が静かに流れ出します。

遠野に伝わる民話や日本の昔話を音と映像を使って体感的に楽しませてくれますよ。

館内にある「遠野座」では、地元の語り部による昔話を方言たっぷりで聴くことができます。観光シーズンの夏は1日5回、そのほかの時期は1〜3回と公演回数が異なるので訪問前の確認をお忘れなく。

施設内にある「柳田國男展示館」も見逃せません。展示館は民俗学の父と呼ばれた柳田國男がかつて調査の拠点とした旅館を移築したもので、国指定有形文化財に登録されています。

柳田國男の足跡を学ぶと同時に彼が愛した遠野の風景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

スポット2：こども本の森 遠野（とおの物語の館から車で約1分）

とおの物語の館を後にして次に向かうは「こども本の森 遠野」です。国内に4箇所ある「こども本の森」の中の一つで、子どもだけでなく大人の心も癒す特別な図書施設です。

かつて呉服屋だった「旧三田屋」跡地に建築されたこの施設は、時を重ねた梁や趣ある柱がほっとするような雰囲気を醸し出しています。やわらかな木の香りが訪れる人を優しく包み込む、居心地の良い空間です。

施設に入ると、中央には螺旋階段がそびえる吹き抜けの閲覧室があり、天井まで届く壁一面の本棚に圧倒されます。読書好きのカップルなら、きっと心が踊る光景です。

13のテーマに沿って選び抜かれた蔵書は、子ども向けの絵本から大人の知的好奇心を刺激する書籍まで幅広いジャンルをカバーしています。

そんな館内には、随所に心落ち着く読書空間が用意されています。畳の香り漂う和室でくつろぎながら本を開くもよし、ゆったりとした椅子に身を委ねて読書に没頭するもよし。思い思いのスタイルで暫しの間、日常から離れた特別なひとときを過ごしてくださいね。

スポット3：まるまんじんぎす館（こども本の森 遠野から車で約1分）

「こども本の森 遠野」で本の世界を満喫したら「まるまんじんぎす館」で遠野のソウルフード、ジンギスカンをいただきましょう。

遠野のジンギスカンは、遠野市出身の方が戦時中に満州で出会った羊肉料理がルーツとされています。その方は美味しかった羊肉料理の味が忘れられず、終戦後に精肉店兼食堂を開きました。そこでジンギスカンを提供したことがきっかけで遠野に定着したと言われています。

まるまんじんぎす館の人気メニューは、臭みのない厚切りジンギスカン定食です。独自にブレンドされたタレが特徴で一度味わえば忘れられない深い味わいです。

地元に愛される「まるまんじんぎす館」のジンギスカン定食を心ゆくまで楽しんでくださいね。

スポット4：卯子酉神社（まるまんじんぎす館から車で約5分）

まるまんじんぎす館でランチをいただき次に向かうは卯子酉（うねどり）神社です。卯子酉神社は恋愛成就のご利益があるといわれており、カップルに人気のスポットです。

かつて境内には淵があり、そこに茂っていた芦へ紙に書いた恋の願いを結びつけると男女の縁が結ばれたという伝説が、柳田國男の書籍「遠野物語拾遺」第35話に残されています。

現在では無人の販売所で売られている赤い布を買い、利き手でない方で願い事を書いてさらにその手だけを使って境内に張り巡らされた紐に結ぶと願い事が叶うとされています。境内には願いが書かれた赤い布が多数祀られており、卯子酉神社ならではの幻想的な光景も楽しめます。フォトスポットとしても人気があるので記念撮影もお忘れなく。

ぜひ、カップルで願い事の成就を目指して挑戦してみましょう。きっと心に残る印象的な思い出になりますよ。

スポット5：宮守川橋梁（卯子酉神社から車で約20分）

今回のドライブデート最後の目的地は、卯子酉神社と同様にカップルに人気の通称「めがね橋」と呼ばれる「宮守川橋梁（みやもりがわきょうりょう）」です。めがね橋は5連のアーチが美しく連なる旧岩手軽便鉄道の鉄橋の一部で、フォトスポットとして人気です。

橋の近くには愛らしいデザインのベンチが設けられており、美しいめがね橋の光景が楽しめます。運が良ければ橋を渡るレトロで可愛らしい列車が見れるかもしれません。

遠野市観光協会の菊池さんのおすすめは、5月下旬から8月にかけてのみずみずしい新緑の中に佇むめがね橋の眺めです。心地良い気候も相まって心癒される光景が楽しめますよ。その他にも雪化粧する冬の光景もグリーンシーズンとはまた異なる趣深い姿もお気に入りなのだそうです。

めがね橋は日没になるとライトアップされ、昼間とは全く異なる幻想的な世界も楽しめます。ライトアップは通年行われており、毎夜楽しむことができますよ。

また、宮守川橋梁に隣接する「道の駅みやもり」にもぜひ立ち寄ってみてください。産直市場もあり、お土産に良い商品もたくさん並びます。特に注目したいのが、新鮮なワサビ。宮守地区はワサビ農家が多く、産直市場には安くて新鮮なワサビが並びます。ぜひ手に取ってみてください。

遠野市観光協会からのメッセージ

卯子酉神社から宮守川橋梁へ向かう国道396号の沿線に「南部曲り家 千葉家」という施設があります。曲り家とは馬屋と母屋が一体になった建物のことで、千葉家は、市内最大級の大きさを誇る「曲り家」です。

現在改修中なので施設内の見学はできませんが外観でしたら見ることができます（2025年3月時点）。国の重要文化財に指定されており、外観だけでも見応えがありますよ。

遠野市ドライブコースのまとめ

遠野市観光協会の問い合わせ先