ドライブデートにおすすめのエリアをお探しの方へ。今回は、大分県が誇る「海の町」佐伯市の鶴見(つるみ)半島をご紹介します。海沿いを走る604号線コースでは、リアス式海岸特有の入り組んだ海岸線と、漁業の町ならではの力強い海の表情を楽しむことができます。
今回ご紹介するコースは、佐伯駅を起点に、地元で人気の海鮮レストラン、九州最東端の灯台に360度のオーシャンビュー、歴史ある資料館、そして現代アートが息づく砲台跡地までをゆっくりと巡る、デートにぴったりの周遊ルートとなっています。
鶴見半島が持つ多彩な魅力を知り尽くした一般財団法人観光まちづくり佐伯・軸丸(じくまる)さんおすすめの、約6〜7時間のドライブコースです。
▼今回ご紹介する佐伯市・鶴見半島ドライブスポットの見どころ
この記事の目次
佐伯市・鶴見半島を巡る優雅なドライブコース
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出発点 佐伯駅| 約25分(12.1km)
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スポット1 つるみテラス| 約45分(20.9km)
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スポット2 鶴御埼灯台| 約15分(3.7km)
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スポット3 水の子島海事資料館・渡り鳥館| 約3分(1.3km)
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スポット4 元の間海峡段々展望所| 約5分(2.5km)
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スポット5 丹賀砲台園地
雄大な海に囲まれた鶴見半島は、「食」と「景観」の両方を楽しめる魅力的なドライブデートスポットです。道中では、リアス式海岸特有の入り組んだ海岸線に沿って、うねりのある道が続きます。川から流れ込むミネラル豊富な海水が育んだ魚介類の宝庫である漁場や、漁船が行き交う港の風景など、この地域ならではの魅力的な風景が広がっています。
それでは、この魅力的な半島を巡る5つのおすすめスポットを、順にご紹介していきましょう。
スポット1:つるみテラス(佐伯駅から車で約25分)
佐伯駅から車で約25分、まず向かうのは、地元で水揚げされる新鮮な魚介類を存分に味わえる人気のレストラン「つるみテラス」です。特に注目は、ボリューム満点のアジフライ定食です。なんと750円というリーズナブルな価格で、大ぶりのアジフライ2枚に加え、「アラ煮」まで付いてくるという驚きの内容。「メインが2品あるようで、お腹がいっぱいになる」と驚く人も多い定食です。
このコスパの秘密は、地元の養殖企業との直接取引。新鮮な魚介類を市場価格よりもリーズナブルに仕入れることで、驚きの価格設定を実現しています。ほとんどのメニューが1,000円台と手頃で、気軽に本格的な海鮮料理を楽しめます。
特に注目は、毎年9月から11月に開催される「東九州伊勢えび海道」という秋のイベント。この時期限定で提供される「伊勢えび御膳」は、そのボリュームに驚いて写真撮影が止まらないお客様が続出するほどの人気メニュー。実際、観光まちづくり佐伯のホームページでも、このイベントの時期になるとアクセスが急増するという人気ぶりです。
また、エビの季節には、漁師町ならではの大ぶりの海老を使った特別メニューも登場。地元ならではの新鮮な食材と、驚きのボリューム、そしてリーズナブルな価格の3拍子が揃ったつるみテラスは、佐伯市に訪れたなら必ず立ち寄りたいスポットです。
地元民にも人気のレストランのため、休日に訪れる場合は少し早めの来店がおすすめ。11時過ぎの到着であれば、比較的スムーズに席に案内してもらえます。
この他、レストランに併設された直売所では、地元の海産物を使った加工品や特産品を購入することができます。食事の後に立ち寄って、美味しい思い出をお土産として持ち帰るのもおすすめです。
店名 | つるみテラス |
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所在地 | 大分県佐伯市鶴見地松浦1351-1 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 10:00〜15:00 (レストランは平日11:00〜LO14:30) 日曜11:00~LO14:00 |
定休日 | 火曜日 |
スポット2:鶴御埼灯台(つるみテラスから車で約45分)
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お腹を満たした後に訪れるのは、まるで海の果てに立っているような錯覚を覚える鶴御埼灯台。九州最東端に位置する鶴御埼灯台は360度の海を見渡せる絶景スポットで、青い海と空が溶け合うように水平線が広がり、地球の丸さを目で確かめることができます。あまりの絶景に感動を覚える人も多く、訪れる人の中には、自分が回りながら撮影する360度動画を撮る人も。
灯台の左手には、自然豊かな小路があり、岬の先端まで続く下り坂の階段があります。手入れの行き届いた森の中を、木々のトンネルをくぐるように下っていくと、九州最東端のポイントに到着。ここで記念撮影を行ったあと、JR佐伯駅隣接の佐伯市観光案内所にお立ち寄りいただくと、1枚200円の「九州最東端到達証明書」を発行することができるという特典もあります。晴れた日には四国を肉眼で見ることができ、運が良ければ四国と九州の間に浮かぶ水ノ子島灯台の姿も見ることができるかもしれません。
ここは九州で最も早く日が昇るスポットとしても知られ、特に年末年始の初日の出シーズンには多くの人で賑わいます。「最果ての地」という独特の雰囲気と、360度広がる水平線、そして四国を望む絶景が、訪れる人々を魅了し続けています。
名称 | 鶴御埼灯台 |
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所在地 | 大分県佐伯市鶴見 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
スポット3:水の子島海事資料館・渡り鳥館(鶴御埼灯台から車で約15分)
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鶴御埼灯台から車で約15分。水の子島海事資料館では、かつての灯台守の生活を今に伝える貴重な資料を見ることができます。
時に穏やかに、時に荒々しく変わる海の表情を知り尽くした灯台守たち。手漕ぎの船で島へと向かう彼らの日々を伝える古い写真や記録の数々を見れば、船乗りたちの安全を守り続けた先人たちの想いに、誰もが心を打たれることでしょう。石造りの歴史ある建物自体も見どころの一つで、館内では知識豊富な職員による解説も聞くことができます。
特に注目は、展示されている巨大な特注レンズ。これは実際に水ノ子島灯台で使用されていた灯台のレンズで、レンズ交換の際に寄贈されたという歴史的価値の高い展示品です。その大きさは圧巻で、灯台の重要な役割を物語る貴重な展示となっています。
併設された渡り鳥館には、全国的にも貴重なコレクションが展示されています。これらは、水ノ子島灯台に衝突して命を落とした渡り鳥を、灯台守が丁寧に剥製にして保存してきたものです。この展示は、この地域を通過する渡り鳥の種類や渡りのルートを知る貴重な研究資料として、全国の研究者からも注目を集めています。
歴史的な灯台のレンズ、灯台守の暮らし、そして渡り鳥の記録という、異なる側面から海の安全と自然との関わりを伝える、この地域ならではのミュージアムです。
施設名 | 水の子島海事資料館・渡り鳥館 |
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所在地 | 大分県佐伯市鶴見下梶寄(下梶寄海水浴場前) |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 9:30〜16:30 |
休館日 | 火曜・水曜日(祝日の場合、翌日) |
スポット4:元の間海峡段々展望所(水の子島海事資料館・渡り鳥館から車で約3分)
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水の子島海事資料館・渡り鳥館を訪れた後に向かうのは、上げ潮と下げ潮がぶつかる海域に浮かぶ大島を一望できる「段々展望所」。この大島の端には、波の力で少しずつ削られてできた特徴的な穴「海蝕洞」があります。長い年月をかけて波の力で開いたこの穴は、小さな努力が実を結ぶことの象徴として、多くの人々のパワースポットとなっています。
大島と展望所の間には、漁師たちの安全を守るために建てられた「元の間海峡標」と呼ばれる小さな灯台が立っています。この海域は昔から船の座礁事故が多かったため、その教訓から設置された守り神的な存在。自然が生み出した「海蝕洞」と、人々の安全を見守る目印が織りなす風景は、訪れる人々に不思議な力を感じさせます。
この展望所は、波の力で開いた穴と漁師たちを見守る小さな灯台という二つのシンボルが重なり合う場所として、「願いが届く場所」と言われています。
名称 | 元の間海峡段々展望所 |
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所在地 | 大分県佐伯市鶴見梶寄浦 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
スポット5:丹賀砲台園地(元の間海峡段々展望所から車で約5分)
ドライブデートの最後に立ち寄るのは、戦跡として歴史を伝える丹賀砲台園地。悲しい歴史を刻む場所として知られるスポットでしたが、その空間には今、アーティストたちの想いを乗せた新しい風が吹き始めています。
「悲しい記憶をそのまま置いておくことが最も悲しいこと」という考えのもと、多くのアーティストが集い、多くのアート作品を展示するイベントが行われました。中でも印象的なのが、訪れる人々の祈りとともに作られていく螺旋階段のインスタレーション。キャンドルを一つずつ並べていく参加型のアート作品は、人々の想いが集まって「光の階段」とも呼ばれる幻想的な光景を生み出しました。
このアートは常に展示されているものではありませんが、今後も定期的に開催される予定があるため、タイミングがあえば歴史と現代アートが織りなす神秘的な空間を見ることができます。
また、施設内には、当時の訓練で使用された砲台跡が残されており、歴史の生々しさを伝えています。その一方で、螺旋階段の上部にはプラネタリウムのようなガラスドームが設置され、現代的な造形美も。この独特な空間は人気バンドのミュージックビデオのロケ地としても使用されるなど、クリエイターたちの注目を集めています。
施設名 | 丹賀砲台園地 |
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所在地 | 大分県佐伯市鶴見丹賀浦 |
駐車場情報 | 専用駐車場あり(無料) |
営業時間 | 9:30〜16:30 |
休館日 | 火曜・水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29〜1/3) |
観光まちづくり佐伯からのメッセージ
鶴見半島のドライブコースは、多彩な楽しみ方ができる魅力的なルートです。今回ご紹介したコースは歴史探訪と芸術鑑賞を中心としていますが、訪れる方それぞれの興味や関心に合わせて、自由にアレンジしていただけます。特にバイク愛好家の方々にも人気のルートで、カーブの続く海岸線は爽快なドライブを楽しめます。
お土産は、つるみテラス館内にある物産コーナーや、徒歩1分程度の距離にあるアンテナショップ「鶴見食賓館」がおすすめです。特に地元の郷土料理「ごまだし」は、鶴見の味を代表する逸品。この地を訪れた思い出と共に、ぜひご家庭でもお楽しみください。
季節によって異なる表情を見せる鶴見半島。訪れる際は、天候や潮の状態にも注意を払いながら、豊かな自然と歴史、そして新しい文化が融合するこの地域ならではの魅力をゆっくりとお楽しみください。
佐伯市ドライブコースのまとめ
おすすめの回り方 | 全行程:約6〜7時間 スタート:佐伯駅 移動:海沿いの604号線コースがおすすめ 所要時間:各スポット間3〜45分 |
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主な観光スポット | スポット1:つるみテラス
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スポット2:鶴御埼灯台
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スポット3:水ノ子島海事資料館・渡り鳥館
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スポット4:元の間海峡段々展望所
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スポット5:丹賀砲台園地
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グルメ&ショッピング | つるみテラス
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ドライブルートの特徴 |
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一般財団法人観光 まちづくり佐伯(佐伯市観光案内所)の問い合わせ先
名称 | 佐伯市観光案内所 |
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住所 | 大分県佐伯市駅前2-6-37 |
問い合わせ | 0972-23-3400 |
公式ページ | https://www.visit-saiki.jp/ |
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観光協会おすすめの「ドライブデート」企画や、「プロに聞くアドバイス」企画の編集を担当。地方移住に関する取材経験が150本と豊富で、各地の名所に精通。プライベートでも週2回はドライブするほどのドライブ好き。