岩手県山田町ドライブデート:フォトジェニックな海岸と三陸グルメを巡る贅沢旅

ドライブデートにおすすめのスポットをお探しの方へ。今回は、三陸海岸屈指の景勝地である岩手県山田町をご紹介します。

陸中山田駅を起点とするこのコースでは、白砂のビーチと青い海が織りなす絶景スポットから始まり、三陸の海に住むクジラを知る科学館、新鮮な海の幸を楽しめる道の駅、そして山間の静寂に包まれた神社までを、4~5時間かけてゆっくりと巡ります。

山田町観光協会の沼崎さんおすすめのドライブコースです。

▼今回ご紹介する岩手県山田町ドライブスポットの見どころ

船越半島の最南端!荒神海水浴場、木の鳥居が並ぶ荒神海水浴場、鯨と海の科学館、三陸の魚介類を堪能、修験者の修道場だった関口不動尊 奥宮

岩手県山田町ドライブコース

  • 出発点 陸中山田駅
    | 約15分(7.8km)
  • スポット1 荒神海水浴場
    | 約10分(4.5km)
  • スポット2 鯨(くじら)と海の科学館
    | 約10分(6.3km)
  • スポット3 道の駅やまだ おいすた
    | 約30分(8.9km)
  • スポット4 関口不動尊 奥宮

今回のコースでは、午前中は三陸の風を感じながら海沿いをドライブ。絶景の海水浴場、クジラと海に親しむ科学館、地元の味覚が楽しめる道の駅までを巡ります。一転、午後は内陸の山の方へ。すこし長めに車を走らせて、ひそやかな雰囲気の神社へ向かいましょう。

車両に関しては、道路に起伏のある区間が含まれるため、SUVなどの車高の高い車両での走行をお勧めしています。

それでは、大切な人と過ごす時間にぴったりの贅沢な場所を、順番にご紹介します。

スポット1:荒神海水浴場(陸中山田駅から車で約15分)

荒神海岸の風景と荒神社

陸中山田駅から車で約15分。最初の目的地は、穏やかな波と白い砂浜が特徴的な「荒神海水浴場」です。

ここで出会えるのは、エメラルドグリーンの宝石のような海と真っ白な砂浜が織りなす絶景。その美しいコントラストには、思わずカメラのシャッターを切りたくなるでしょう。

海に入って遊べる夏本番はもちろんですが、冬季にもまた違った魅力があるのがこの海水浴場です。冬には海水の透明度が最も高くなり、静寂に包まれた美しい海岸での散策を楽しめます。探検気分で、裏手にある岩場まで足を延ばすのもおすすめ。

ビーチのすぐそばには「荒神社(あらがみしゃ)」への入り口が見つかります。木製の鳥居が連なる参道を上がると、海から森へと景色が移ろう神秘的な散策路が続きます。

荒神社は、平安末期から鎌倉前期にかけこの地域を治めた、閉伊頼基(へいよりもと)を祀るとされる神社。海の守り神として地域の人々の信仰を集めてきました。社務所には普段人がいないため、御朱印などは頂けませんが、海のそばの静かな境内で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

スポット名 荒神海水浴場
所在地 岩手県下閉伊郡山田町船越半島
駐車場情報 専用駐車場あり

スポット2:鯨と海の科学館(荒神海水浴場から車で約10分)

鯨と海の科学館の外観と、天井からつるされたクジラの模型
次に向かうスポットは「鯨と海の科学館」。三陸の海に住むクジラの進化や生態、また海と人間の共存などについて展示物や映像で紹介する施設です。

館内は、まるで深海への探検に出かけるかのように、上階の入口から、らせん状のスロープを下りていく造りになっています。神秘的な海の世界へと誘ってくれます。天井からは、マッコウクジラの実物大模型が吊るされ、今にも泳ぎだしそうな雰囲気。よく見ると、海中での生き物との戦いでついた傷跡まで、忠実に再現されています。

そして最大の見どころといえるのが、1987年に三陸沖で捕獲された、全長17.6メートルの鯨の実物骨格標本です。これは、世界でも1、2を争う大きさだそう。

所要時間として、じっくりと展示を楽しむなら1時間ほどを予定しておきましょう。売店には、鯨や深海生物をモチーフにした遊び心あふれるグッズがたくさんあるので、こちらもぜひ立ち寄りたいところ。特に深海生物フィギュアや魚の漢字パズルを封入したガチャガチャは、子供から大人まで幅広い人気を集めています。

施設名 鯨と海の科学館
所在地 岩手県下閉伊郡山田町船越7-50-1
駐車場情報 専用駐車場あり
開館時間 9:00~17:00 ※入場16:30まで
休館日 毎週火曜日 ※祝日の場合は翌平日、年末年始、資料整理日(12/1~12/10)

スポット3:道の駅やまだ おいすた(鯨と海の科学館から車で約10分)

道の駅やまだ おいすた、三陸の魚介類を楽しめる「うみっぷく」
ランチタイムには、鯨と海の科学館から10分ほど車を走らせ「道の駅やまだ おいすた」へ向かいましょう。

2023年7月に新しくオープンしたこの施設には、レストラン・飲食コーナーや、地元の特産品を集めた産直売店、観光案内所などがそろっています。

レストラン「うみっぷく」は、にぎり寿司や海鮮丼、海鮮ラーメンなど、三陸の魚介類をふんだんに使ったメニューを提供。特に人気の牡蠣料理は、シーズン中なら殻付きや身むきの生牡蠣も楽しめ、名物のカキラーメンと共に、訪れる人々の舌を魅了し続けています。

お土産コーナーには、ここでしか手に入らない商品が数多く並びます。中でも人気なのは、黒ごま米粉を使った伝統菓子「山田生せんべい」や、特徴的な渦巻き型のかりんとうなど。素朴な味わいと確かな品質が楽しめます。水産加工品や冷凍食品も豊富にそろい、買って帰れば三陸の味をご自宅でも楽しむことができます。

施設名 道の駅やまだ おいすた
所在地 岩手県下閉伊郡山田町山田第2地割111番地2
駐車場情報 専用駐車場あり
開館時間 9:00~18:00
飲食レストランうみっぷく 11:00~16:30(ラストオーダー)
※券売機テイクアウトメニューは9:00~16:30(ラストオーダー)
休館日 1月1日
※道路休憩施設は24時間年中無休
※水産部門は水曜日休み

スポット4:関口不動尊 奥宮(道の駅やまだ おいすたから車で約30分)

修験者の修道場だった奥宮
昼食の後には、30分ほど車を走らせましょう。住宅地を離れ、河川沿いをさらに奥へと進んで目指す場所は、地元で「関口不動尊」と親しまれる関口神社の奥宮(※)です。
(※)その神社の中で最も奥にある社殿

林道の途中には未舗装区間もあります。神社の中でも、雄大な自然と一体になった「奥宮」へ向かうことは、そのプロセスそのものが特別な体験となるでしょう。

たどり着いた先に広がるのは、豊かな緑に抱かれた神聖な空間に、朱色の鳥居と橋が映える風景。橋の下を流れる清らかな渓流は、奥宮裏手にある山から流れ出しています。橋と清流のコントラストや威厳ある社殿は、絶好のフォトスポットにもなっています。

施設名 関口不動尊 奥宮
所在地 岩手県下閉伊郡山田町
駐車場 不明

山田町観光協会からのメッセージ

時間に余裕がある方に向け、さらに2つの絶景スポットをご紹介します。

1つ目は、陸中山田駅から荒神海水浴場へ向かう国道45号線沿いにある「山田湾展望広場」。この広場に、2022年に公開されたアニメ映画「すずめの戸締まり」に町内の風景が登場したことを記念して設置された「白い扉」があります。

扉を開けば、そこには山田湾の壮大なパノラマが広がり、まるで異世界への入り口のよう。多くの方が好んで撮影する海側からのアングルでは、扉を開けた先に現実世界が広がる、まさに物語のワンシーンのような1枚が収められます。数台分の駐車スペースもあるので、ドライブの途中で気軽に立ち寄れます。

2つ目は「漉磯(すくいそ)海岸」です。市街地から車で40分以上と少し離れていますが、その先には、まさに三陸海岸の秘宝と呼ぶにふさわしい景観が待っています。

観光スポットとしてはあまり知られていない、地元の人たちの秘密の場所であるここには、太平洋の荒波が打ち付ける岩礁と、そびえ立つ断崖絶壁が織りなす壮大な自然のドラマが。荒神海水浴場の穏やかな海とは対照的な、大自然の荘厳な景色との出会いが待っています。

岩手県山田町ドライブコースのまとめ

コース概要 全行程:約4~5時間
移動時間:各スポット間10~30分
推奨車両:SUVなど車高の高い車両
  • 季節で異なる表情を見せる三陸の海を堪能できるコース
  • 新鮮な海の幸と伝統的な食文化に触れられる
  • 「山田湾展望広場」の「白い扉」でフォトジェニックな撮影が可能
主な観光スポット 荒神海水浴場&荒神社
  • 透明度の高い青い海と白砂のビーチが織りなすフォトジェニックな景観
  • 冬季は特に透明度が高く、静寂な散策スポットに
  • 由緒ある荒神社
  • 駐車場30台完備、トイレ施設あり
鯨と海の科学館
  • 展示や映像を通して、クジラの生態や人と海の共生について学べる
  • 世界でも最大級の、17.6メートルの鯨骨格標本を展示
  • 所要時間:30分~1時間
道の駅やまだ おいすた
  • 回転寿司スタイルの独創的なシステムで海鮮料理を提供
  • 地魚や旬の海鮮、カキ料理などの三陸グルメを堪能
  • 名物「山田生せんべい」など、厳選されたお土産を販売
関口不動尊 奥宮
  • 朱色の鳥居と橋、渓流が織りなす日本の原風景
  • フォトジェニックな撮影スポットが点在
  • 野生動物に注意(シカ、クマの生息地)

山田町観光協会の問い合わせ先

名称 山田町観光協会
住所 岩手県下閉伊郡山田町大沢2-1-6
問い合わせ https://www.yamada-kankou.jp/contact/
公式ページ https://www.yamada-kankou.jp/
編集部:竹内 彩
●編集部 竹内彩

観光協会おすすめの「ドライブデート」企画や、「プロに聞くアドバイス」企画の編集を担当。地方移住に関する取材経験が150本と豊富で、各地の名所に精通。プライベートでも週2回はドライブするほどのドライブ好き。