「忙しい毎日から離れてリフレッシュする時間が欲しい」「アートに触れて豊かな感性を養いたい」という男性に、東京・御茶ノ水駅近くの「芸術造形研究所」が主催する「臨床美術クラブ」をご紹介します。
臨床美術クラブでは、アート作品を作ることで脳と心の解放をうながす、臨床美術アートセッションを行います。
美術の知識や、絵を描くことの得意・苦手に関係なく、誰でも気軽に参加できるこのクラス。五感をいっぱいに使って制作することで、自分の内側から湧き上がる感性や新たな視点に出会い、リフレッシュと非日常感を楽しむことができるでしょう。
この記事の目次
アートの力で脳と心をリフレッシュ。芸術造形研究所の「臨床美術クラブ」
臨床美術とは、アート作品を作ることにより脳の活性と心の解放を促す、日本発のアートソリューションメソッドで、自己肯定感の醸成や、クリエイティブ思考を高めることにも、効果が高いといわれています。
臨床美術クラブの内容や魅力について、芸術造形研究所講師である、臨床美術士の大倉葉子さんにお話を伺いました。
美術に苦手意識を持っている男性にもおすすめ!自由なアート表現を楽しむ
編集部
「臨床美術」という言葉は、聞き慣れない方も多いかと思います。アートセラピーとは違うものなのでしょうか。
大倉さん
アートセラピーの一般的なイメージは、描かれた絵などをもとに心理状態を分析したりコミュニケーションを行ったりと、心理学的なアプローチを行うものだと思います。
それに対し、臨床美術もアートセラピーの一種ですが、表現すること自体を重視し作品を分析したりはしません。また、医師らとチームを組んだ「美術家」からのアプローチである点が特徴です。
編集部
臨床美術クラブは、もともと絵が好きな方や美術経験のある方向けの内容ですか?
大倉さん
いいえ、臨床美術は絵が好きな人だけではなく、苦手意識をお持ちの方も楽しめる内容です。
ですので、日ごろ美術に触れる機会の少ない方にこそ、体験して頂きたいと考えています。学校の授業以来美術から遠ざかっているという方や、日々忙しくてなかなかリフレッシュができないというビジネスマンの方にも向いていると思います。
男性が通いやすい休日午後&1回完結の開講。アクセスも抜群
編集部
臨床美術クラブはビジネスマンにも向いているとのことですが、日頃多忙な男性も無理なく参加できるでしょうか?
大倉さん
開催は日曜日の午後に設定しているので、平日は仕事で忙しい男性の方が参加しやすいと思います。
編集部
講座は1回で完結するのでしょうか。
大倉さん
はい。1回90分完結で、その日のうちに作品が仕上がり、持ち帰ることができます。持ち物は何もないので、気軽にお越し頂ければと思います。
編集部
確かに、美術というと絵の具など「まず道具をそろえなきゃ」というところでハードルが上がりがちなので、手ぶらで参加できるのは嬉しいです。
芸術造形研究所のある場所も、御茶ノ水駅から5分程度と、とても便利ですね。
大倉さん
そうですね。JRも東京メトロも利用できますし、周囲には飲食店も多くにぎやかです。クラスの後の散策や食事も楽しめるのではないでしょうか。
感性を磨き、自己肯定感を高めるプログラム
ここからは、臨床美術クラブで行われる実際のプログラム内容や、過去の臨床美術ワークショップについて伺っていきます。
新しい視点や発見につながる、さまざまな素材&技法を盛り込んだアート制作
編集部
臨床美術クラブの、具体的な流れについて教えてください。
大倉さん
クラスでは、10名ぐらいの参加者の方に対し講師の臨床美術士が1名おり、説明をしつつ作品作りを進めます。
臨床美術士は、工程ごとにまずデモンストレーションを行います。全員が足並みを揃えて制作できるよう少しずつ進めていくので、絵が得意な方も苦手な方も、一緒に作っていくことができます。
編集部
それは心強いですね。作品はどのようなものを作るのですか?
大倉さん
2024年度は全4回の開講を予定していますが、それぞれに別のものを、さまざまな素材や技法を盛り込んで制作します。
▲2024年6月実施予定「地中探検植木鉢」イメージ
▲9月実施予定「きらきら魚のネガポジ画」イメージ
▲12月開催予定「うずまきステンドグラス」イメージ
▲2025年3月開催予定「紙お面」イメージ
素材でいうと、魚や野菜といった食材もモチーフに使います。特に料理好きでなければ、食材にはあまり触ったことがないという男性もいらっしゃいますよね。でもそれをモチーフにすることで、見る目が変わってくるんです。
これまでは気にも留めなかった食材でも、例えばクラス参加後にスーパーで見た時に「これはキレイだな」「おもしろい形だな」などと感じられることもあると思います。
編集部
自分の中になかった視点や発想が生まれてくるんですね。
大倉さん
はい。技術的なことではなくて、皆さんそれぞれの内側の新たな発見があるといいなと思っています。
いろいろな発見をして頂けるよう、全ての回が角度の違うプログラムになっているので、リピート参加の方でも新鮮な気持ちでお楽しみ頂けますよ。
編集部
脳や感性の、日ごろ使っていない部分がたくさん刺激されそうですね。お話を聞いているだけでもワクワクします。
大倉さん
ありがとうございます。そういった意味で非日常感があり、リフレッシュして頂けると思っています。また五感をいっぱいに使い“今ここ”に集中して取り組むので、マインドフルネスや瞑想に通じる感覚があるかもしれません。
特に男性は、仕事で日々の繰り返しにストレスを感じていらっしゃることもあると思います。そこからちょっと解放される時間を持って頂けたら嬉しいですね。
また、作品完成後には私たち臨床美術士が「こんなふうに見えませんか?」というようなことをお話するので、そのことでも、見方の変換のヒントを得て頂けたらと思っています。
自己肯定感が上がるビジネスマン多数。臨床美術を体験した方の感想
編集部
臨床美術クラブは今回リニューアルということですが、過去に開催された臨床美術のワークショップなどは、どのような様子だったのでしょうか。
大倉さん
ある企業の中で10年以上、クラブ活動のようにして臨床美術を実施したことがあります。就業後の18時半から20時という時間帯で、会社の中の食堂や会議室をお借りして行いました。
参加の動機としては「絵を描くことを楽しみたい」という方もいらっしゃれば「絵は苦手だけどちょっとトライしたい」という方、また「ストレスを感じているのでリフレッシュしたい」という方などさまざまでしたね。
編集部
クラスの雰囲気はいかがでしたか?
大倉さん
はじめはまだ仕事モードが抜けずキリッとされていた男性も、制作が進むうちにだんだんリラックスされます。
完成した後には全員で作品を並べて鑑賞する時間を設けています。そして、臨床美術士がその方だけの素敵なところをお伝えするのですが、やはり誰でも褒められたり認められたりすると嬉しいですよね。毎回、最後はとても和やかな雰囲気でした。
編集部
年を重ねるほど、仕事でも家庭でも褒められる機会は少なくなるので、ことのほか嬉しいのかもしれません。参加された方からはどんな感想がありましたか?
大倉さん
「発想が柔らかくなりました」とか「人と違ってもいいんだという自己肯定感が得られました」という嬉しいお声をたくさん頂きました。
それから、クラスが終わった20時過ぎから「気分転換ができて集中力が増した気がするので、また仕事に戻ります」という方も多くいらっしゃいましたね。
臨床美術士の資格取得が目指せる講座もあり
編集部
クラスを通して臨床美術に興味を持った場合、そこから何か別の講座や資格に進むことはできるのでしょうか。
大倉さん
もし、このクラスをきっかけに「臨床美術士」という仕事に興味を持って頂いたなら、当方で開催している臨床美術士資格取得講座を受講して頂くことができます。
編集部
他の方を導く側を目指せるのですね。資格取得講座の方も、臨床美術クラブと同じく、美術の特別な知識がなくても受講できますか?
大倉さん
はい。美術の知識や経験の有無に関わらず、自分のために学びたいという方もいらっしゃいますし、保育士や介護士、医師など実務者の方が本職で活かすためにと来られることもあります。また、仕事をリタイアされた男性が「何か社会の役に立てることがしたい」といらっしゃったり、本当にいろいろなケースがありますね。
芸術造形研究所からのメッセージ
編集部
最後に、臨床美術クラブや芸術造形研究所に興味を持たれた男性にメッセージをお願いします。
大倉さん
アートの中でも、美術は、目に見える作品が残るというのがいいところかと思います。自分のその目に見えたことに触発されて「もっとこうしてみよう、ああしてみよう」という展開があったり、作品を持ち帰って家族に見せることで話題作りになり「すごいね」なんて言われたりと、素敵な連鎖も色々と起きているようです。
学生時代の美術の授業などでは成績もつくので、その記憶から苦手意識を持っている方もいらっしゃると思います。けれど本来アートには、“こうじゃなきゃいけない”ということはありません。正解も間違いもないので、ぜひ気を楽に、解放感を感じてください。
臨床美術クラブでのアート制作を通して、参加される方の感性に変化が起き、その方の暮らしがより豊かになるお手伝いができれば幸いです。
編集部
私自身もですが、ずっと同じところで仕事をしていたりすると、発想や想像力がワンパターンになりがちです。
お話を伺って、ビジネスマンの男性が臨床美術に触れることで、自分の世界が広がり、仕事にもいい影響を得られそうだと感じました。
本日はありがとうございました!
「臨床美術クラブ」2024年度の開催概要
開催日時 | 年4回(6・9・12・3月) 日曜日 14:00~15:30(1回/90分) |
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参加費 | 5,500円(消費税10%込) ※消費税率の改正が行われた場合には、講座開始日の税率を適用 |
プログラム | ○2024年6月23日「地中探検植木鉢」 プラスティック製の植木鉢に地中の生命観や植物のエネルギー、水の力など自然界のパワーを感じながら抽象的な表現を楽しむ ○2024年9月8日「きらきら魚のネガポジ画」 銀色紙に魚の開きの周辺(ネガ)の形を描くことで魚の形を浮かび上がらせる。銀色の紙の光を感じながら着彩 ○2024年12月22日「うずまきステンドグラス」 塩ビ版に渦巻の形を描き、さらに線で分割しガラス絵の手法でステンドグラスのような透明感のある色彩表現を楽しむ ○2025年3月23日「紙お面」 トイレットペーパーをもとに作った紙粘土で、レリーフ状に顔を制作。粘土の量で表情が微妙に変化する。上に色和紙を貼って色づけしていく |
臨床美術クラブの詳細は、HPをご覧ください。
公式サイト:臨床美術クラブ
芸術造形研究所の基本情報
所在地 | 東京都千代田区神田駿河台2-1 OCCビル7F |
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問い合わせ先 | 03-5282-0210 |
営業時間 | 9:30〜17:30(日・祝休み) |
公式ページ | https://www.zoukei.co.jp/ https://www.zoukei.co.jp/courses/rinsyo/ |
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