人生の岐路に立ち、自分を見つめ直したくなったとき、静かな場所で一人になりたいと思ったことはありませんか?
そんな男性の一人旅スポットとして、注目を集めているのが香川県の小豆島です。離島特有の穏やかな自然環境に加え、芸術や文化に触れられる施設も充実しています。
今回ご紹介する「二十四の瞳映画村」は、映画『二十四の瞳』のロケ用オープンセットを改築した、日本映画と文学のテーマパークです。
瀬戸内海を一望できる絶景の中で、奥深い日本映画や文学に触れることができるため、自己と向き合う時間を過ごすのに最適な場所といえるでしょう。
本記事では、二十四の瞳映画村の専務理事・有本さんへのインタビューを基に、男性におすすめの楽しみ方をご紹介します。
この記事の目次
不朽の名作「二十四の瞳」のロケ地:映画村の魅力
▲映画『二十四の瞳』のメイン舞台となった木造校舎
小説『二十四の瞳』のロケ地として知られる「二十四の瞳映画村」。物語の中心舞台である分教場(木造校舎)を核に、昭和初期の漁村が再現されています。瀬戸内海に浮かぶ小豆島特有の、ゆったりとした時の流れを感じられる場所です。
『二十四の瞳』は、一人の女性教師と12人の小学1年生との約20年に及ぶ交流を描いた物語です。師弟愛や小豆島の美しい自然と、貧困や戦争がもたらす悲劇を対比的に描写した不朽の名作で、現在も「教育のバイブル」として多くの人々に愛読されています。
厳しい状況下にありながらも、困っている人々に手を差し伸べる登場人物たちの姿を通して、私たちは多くの気づきを得ることができるでしょう。
映画村には関西や関東から多くの観光客が訪れており、中には一人旅を楽しむ男性の姿も見られるそうです。
▲今回の取材に応じてくださった、二十四の瞳映画村の有本裕幸さん
二十四の瞳映画村の男性向けの楽しみ方
ここからは、二十四の瞳映画村の具体的な施設や展示を紹介しながら、男性の方にも楽しんでいただける魅力的なポイントについて詳しく説明していきます。
絶景の「木造校舎」で心を静める時間
▲タイムスリップしたかのような世界観を味わえる木造校舎。窓の外には海が広がる
二十四の瞳映画村で最も人気のあるスポットが「木造校舎(岬の分教場田浦分校)」です。
この校舎は1954年に撮影に使用された木造校舎(映画村から700m手前)を模して建てられたロケセットです。ここからは播磨灘を一望でき、絶景と共に心癒される最高のスポットとなっています。
教室内には1987年の映画撮影当時の小道具や写真が展示されています。また、「日本映画の黄金期」と呼ばれる1950年代を代表する映画監督・脚本家、木下惠介の紹介コーナーもあり、映画の世界観を深く味わえます。
校舎が立つ高台からは海が一面に広がり、晴れた日には淡路島や大鳴門橋まで見渡すことができます。
この非日常的な景観は多くの人々の注目を集めており、近年も校舎前で有名企業のCMやミュージックビデオ、カタログの撮影が行われているそうです。
映画村内のBook Café「書肆海風堂(しょしうみかぜどう)」でテイクアウトしたコーヒーを片手に、この素晴らしい景色を眺めながら思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
小豆島の景観を楽しむ渡し舟とサイクリング
▲渡し舟に乗れば『二十四の瞳』の登場人物が見た景色を体験できる
二十四の瞳映画村への移動手段として、作中で先生が岬の分教場へ通うために使った「海の道」を再現した、渡し舟が運航しています。
港に近いオリーブ・ナビ桟橋から二十四の瞳映画村まで、車なら約30分かかるところを舟なら約10分で移動することができます。
運行情報については、下記の公式サイトをご確認ください。
一方で、シェアサイクリングやレンタサイクルを利用して、陸路でのんびりと向かうのも趣があります。特に映画村のある岬の半島へ入る辺りの景観は素晴らしいですよ。
さまざまな方法で小豆島ならではの景観に親しみながら、二十四の瞳映画村を目指してみてください。
「ギャラリー松竹座」で映画の世界に没頭
▲二十四の瞳映画村の正面に続く「シネマ・アートウォール」
二十四の瞳映画村を満喫するためには、映画『二十四の瞳』を実際に観ることをおすすめします。
映画村内の「ギャラリー松竹座」には40席の映画館があり、1954年木下惠介監督、高峰秀子主演の『二十四の瞳』を毎日3回上映しています。上映時間は約2時間40分です。
事前にネット配信などで映画を観ておくと、映画村をじっくり回る時間を取りやすく、より深く見学できるでしょう。
また、往年の銀幕スターのブロマイドや、山田洋次監督をはじめ、三國連太郎、北大路欣也、小林稔侍、黒木瞳、柄本明、市村正親、岸部一徳といった名俳優の味わい深いコメントが展示されています。これらのコメントから、心に響く言葉や生き方のヒントが見つかるかもしれません。
さらに、毎月期間限定で「劇団☆新感線」の映像作品『ゲキ×シネ Repeat 瀬戸内小豆島』を上映しています。こちらも入村料のみで観覧可能です。
詳細は、下記の公式サイトでご確認ください。
企画展とアート作品から刺激を受ける
▲フィギュアギャラリー海洋堂では「アート」「映画」など分野別に多彩な作品を展示
二十四の瞳映画村では、さまざまな展示も見どころです。
第35回日本アカデミー賞で10冠を達成した映画『八日目の蝉』の常設展や、映画『からかい上手の高木さん』の特別展など、小豆島を舞台に撮影された作品の展示が中心となっています。
日本アカデミー賞最優秀監督賞のトロフィーも展示されており、貴重な賞の実物を間近で見ることができます。
さらに、俳優の個展や現代アート、フィギュア業界最大手である海洋堂公認のギャラリーなど、幅広い年齢層が楽しめる多彩な展示があります。これらはすべて入村料のみで見学可能です。
「FIGURE GALLERY 海洋堂」では、アート、映画、ネイチャー、ヒーローといった分野ごとに作品が展示されており、映画化されたキャラクターの精巧なフィギュアを鑑賞できます。
これらの展示を通じて、新鮮な刺激を受け、創造性を刺激されることで、仕事や日常生活に活かせるアイデアが生まれるかもしれません。
懐かしの給食と小豆島グルメを堪能
二十四の瞳映画村には、食を楽しめるスポットも充実しています。
なかでも一番人気は、「キネマの庵」にある「Caféシネマ倶楽部」で提供している「給食セット」(1,050円)です。
ホカホカの揚げパンにカレースープ、冷凍みかん、二十四の瞳オリジナル牛乳が、アルマイトの食器に盛られて提供されています。昭和時代の学校給食を再現した見た目と味わいが「懐かしい」と評判です。
ほかにも「さぬきうどん瀬戸屋(SETOYA)」の「オリーブレモンうどん」(830円)や、「チリリン屋」の小豆島の醤油メーカー・ヤマロク醤油の鶴醤を使用した「極上醤油ソフトクリーム」(400円)など、小豆島のご当地グルメも楽しめます。
食事をしながら、映画村の美しい景観や昭和の雰囲気をゆっくりと味わうことができます。
二十四の瞳映画村の口コミや感想
ここでは、二十四の瞳映画村を訪れた方々の口コミや感想をご紹介します。
瀬戸内の穏やかな海沿いという素敵なロケーションのなか、本物と見間違うほどの見応えのある街並みが広がっていて、ゆっくりと散策できます。
小豆島を初めて訪れました。二十四の瞳の原作を事前に読んでいたので、物語の情景を思い浮かべながら見学を楽しめました。
昭和レトロな雰囲気が好きな方には最高の場所です。特に木造校舎から眺める景色は圧巻でした。
当時の給食を再現したメニューや、珍しい醤油ソフトクリームなど、小豆島ならではの美味しい食べ物も楽しめます。
『八日目の蝉』の常設展やオート三輪など、興味深い展示物を拝見しました。昭和の人々のさまざまな思いを感じられる貴重な体験でした。
訪れた時期が良かったのか、多くの観光客で賑わっていました。バイクで来ている方も多く見かけました。
二十四の瞳映画村を訪れた方々は、海に囲まれた小豆島のロケーションや昭和レトロな世界観を満喫していました。
見どころが多く食事処もあるため、多くの方が半日から1日かけてゆっくりと時間をかけて見学を楽しんでいるようです。
二十四の瞳映画村の入場料金
二十四の瞳映画村の入場料金は、シーズンや特別イベント開催時などによって変動します。また「岬の分教場(木造校舎)」の見学には別途料金が必要となります。
年間パスポートなどのお得な情報を含む詳細な料金表は、公式サイトでご確認いただけます。
大人の入場料金
二十四の瞳映画村 | 850円~1,000円 |
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岬の分教場 | 330円~450円 |
セット券 | 950円~1,160円 |
映画村+渡し舟往復券 | 1,800円~1,900円 |
二十四の瞳映画村の基本情報
所在地 | 香川県小豆郡小豆島町田浦甲931 |
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問い合わせ先 | 0879-82-2455 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
公式ページ | https://www.24hitomi.or.jp/ |