中津万象園・丸亀美術館で感性を磨く!江戸の庭園と名画を楽しむ|香川

本物の「芸術」に触れる体験は、仕事人、家庭人としても、男性にとって必要不可欠です。リラックスしながら教養を深める休日を過ごしてみませんか?

今回ご紹介する香川県丸亀市の中津万象園・丸亀美術館は、JR丸亀駅より車で約6分の場所にあります。1688年に丸亀藩の別館として築かれた壮麗な大名庭園の中にある美術館で、江戸時代から代々受け継がれてきた日本庭園と、世界的な価値を持つ美術品を同時に鑑賞できます。

時代を超えて守られてきた庭園と絵画をゆったりと散策してみませんか?

中津万象園・丸亀美術館:江戸の庭園と西洋絵画の融合

中津万象園・丸亀美術館の庭園の中

「中津万象園・丸亀美術館」の美しい庭園は、丸亀藩京極家2代目藩主であった京極高豊侯によって1688年に丸亀藩の別館として築庭された由緒と歴史のある日本庭園です。近江八景を模して帆、雁、雪、雨、鐘、晴嵐、月、夕映と名付けた八つの島を配置し、それらの島々を橋で結んだ回遊式の大名庭園となっています。

併設の平屋建数寄屋風の美術館では、フランス自然主義絵画を代表するコロー、クールベ、ミレーなどの巨匠の絵画を鑑賞することができます。

同館は家族連れや友人同士の旅行はもちろん、会社の研修などでも多く利用されているそうです。広報担当の片倉さんは、「肩肘を張らずにゆっくりご覧いただき、非日常を楽しんでいただけたら」と、来館者への楽しみ方を提案しています。

中津万象園の魅力:100本の鳥居回廊と邀月橋

中津万象園の鳥居回廊▲中津万象園の鳥居回廊

中津万象園を訪れる人が「必ず見たい」と向かうのは、庭園の西奥にある稲荷社と鳥居回廊です。稲荷社は、京都伏見稲荷より奉納されたもので、京極家大名庭園の時代から同地にあったと伝えられています。竹林から稲荷社へ続く道に100本の鳥居を配した鳥居回廊が整備されたのは令和元年(2019年)のことです。

鮮やかな朱色の鳥居が連なる様子は、まさに圧巻です。「願いが通る」パワースポットとして、また幽玄な情景のフォトスポットとしても人気があり、多くの人がシャッターを切っています。結婚式の前撮りに訪れるカップルも見られるそうです。

中津万象園の鳥居回廊と竹林

そしてもちろん、中津万象園といえば緩やかな円弧が美しい邀月橋(ようげつばし)も見逃せません。「月を迎える」という美しい意味を持つこの橋は、中秋の名月の頃に太鼓橋の上方に浮かぶ見事な月を迎えることができるそうです。晴れた日には、湖面に朱色の橋が映る姿を眺めることができます。

中津万象園の邀月橋▲中津万象園の邀月橋

また、「千代の笠松」と称される、母屋南庭にある大きな傘松も見どころの1つです。樹齢600年といわれ、大きく傘を広げたような枝葉の直径が15m以上もあります。枝葉を支える幹の太さも、さすがは樹齢600年の貫禄があります。1本の松で、ここまで巨大なものはあまり見られません。

中津万象園の「天下の名松」▲中津万象園の「天下の名松」

丸亀美術館:バルビゾン派の名画と日本画の競演

中津万象園・丸亀美術館の「陶器館」外観▲中津万象園・丸亀美術館の「陶器館」外観

庭園の景色で心を落ち着かせた後は、「絵画館」へ向かいましょう。ここでは、19世紀フランス自然主義絵画を築いたバルビゾン派の巨匠たち、ジャン・フランソワ・ミレーやテオドール・ルソーなど、バルビゾン七星と呼ばれる画家たちの作品を鑑賞できます。さらに、カミーユ・コローやギュスターヴ・クールベといった著名な画家の絵画も展示されています。西洋の名画だけでなく、片岡球子や奥村土牛など、日本を代表する画家による日本画も展示されており、東西の自然を愛した作家たちの真髄を味わうことができます。

代表的な作品としては、バルビゾン派絵画の「風景」(ジャン・フランソワ・ミレー)、「セーヴルの高地、放牧場」(カミーユ・コロー)、「オルナン近くの風景」(ギュスターヴ・クールベ)などがあります。数寄屋造りの和洋折衷の建築の中で、本物の芸術作品に触れる貴重な時間をお楽しみください。年間3~4回の企画展が開催され、展示作品が入れ替わるそうです。最新の企画展情報については、中津万象園・丸亀美術館のホームページをご確認ください。

さらに、庭園内にある「陶器館」では、現在のイラン・イラク地域から出土した紀元前2500年頃から13世紀にかけての彩文土器や陶器、ガラス器などが展示されています。白い小石を積み重ねて造られた独特の建築と共に、中東の古代文明の美をご覧いただけます。

懐風亭:歴代丸亀藩主ゆかりの高瀬茶御膳

中津万象園・丸亀美術館の庭園風景

中津万象園・丸亀美術館では、庭園散策や美術鑑賞に加えて、「美食」を楽しむことができます。これは、この施設ならではの魅力的な体験です。

施設の入口にある「味処 懐風亭」(あじどころ かいふうてい)は、地元の方々が法要や祝い事などの会食に利用する格式高いレストランです。ここでは、美しい庭園を眺めながら、和の雰囲気溢れる料理を堪能できます。

味処「懐風亭」向夏の写真

特におすすめなのが、ランチタイムに10食限定で提供される「茶茶御膳-向夏-」です。この御膳には、焙じ茶セイロ蒸、昆布の焙じ茶煮、タコの焙じ茶釜飯など、歴代の丸亀藩主が愛した「高瀬茶」を使用した料理が含まれています。茶葉を贅沢に使用しているため、美味しさだけでなく健康面でも優れています。

藩主たちが愛した味を、彼らが造営した庭園を眺めながら楽しむことで、まるで自分が殿様になったかのような気分を味わえます。一国の主の立場になったつもりで、未来への思いを巡らせてみるのも面白いでしょう。

丸亀城と周辺の文化施設:充実の観光スポット

中津万象園・丸亀美術館の庭園風景

中津万象園・丸亀美術館を訪れる方のために、周辺の魅力的な観光スポット情報をご紹介します。

まずは、同園と深い縁がある「丸亀城」をお勧めします。「亀山城」とも呼ばれるこの城は、標高約66mの亀山に築かれた平山城です。全国的に有名な石垣の名城で、「石の城」とも形容されています。公益財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」にも選ばれた名城です。

丸亀城では、「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」という新しい取り組みが始まりました。城内での宿泊体験など、丸亀市の歴史的資源の魅力を観光を通して磨き上げ、後世に残していく企画です。日本文化に興味を持つ外国人観光客をはじめ、国内外から注目を集めています。中津万象園もこの企画の朝食スポットとしてコースに組み込まれており、貴重な文化財を舞台に非日常的な体験ができると人気です。

アート好きの方には、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の作品を展示する「猪熊弦一郎現代美術館」や、四国にゆかりのある日本画家・東山魁夷の寄贈作品を展示する「東山魁夷せとうち美術館」がおすすめです。
さらに、四国水族館、道の駅 恋人の聖地うたづ臨海公園、桃陵公園、レオマワールドなど、家族連れや友人グループで楽しめる多様な観光スポットが周辺に点在しています。

中津万象園・丸亀美術館:訪問者の感想

中津万象園・丸亀美術館の庭園風景

高松市の栗林公園に匹敵する回遊式の大名庭園です。直径15メートルの大傘松、石投げ地蔵尊、丸亀美術館など、魅力的な見どころが豊富にありました。

庭園の美しさが素晴らしく、必見です。園内を一周すれば、心が癒されること間違いありません。併設される美術館も予想以上の質の高さで、フランスのバルビゾン派の絵画を堪能できます。うちわの展示も含め、見応え十分の充実したスポットです。

去年、結婚式の前撮りでお世話になり、再び来園しました。落ち着いた雰囲気の中、園内をゆっくり回ることができ、とても心が和みました。春には桜が美しく咲くと思います。

素晴らしい庭園に驚かされました。1000本以上の手入れの行き届いた松や大きな池を中心に配された石や木々、苔むした庭など、ゆっくり見ているうちにあっという間に1時間ほど過ぎてしまいます。庭園に興味のある方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

庭園の素晴らしさに感銘を受けた人や、庭園と美術の両方を堪能できることにお得感を感じる人が多いようです。四季折々の景色や、ゆったりとした時間の流れを楽しめる魅力的なスポットとして評価されています。

中津万象園・丸亀美術館:入場料金案内

個人 庭園(庭園・陶器館) 絵画館(常設展) 庭園+絵画館セット券
大人 700円 500円 1200円
小人(小・中学生) 300円 200円 500円

中津万象園・丸亀美術館:アクセスと営業情報

所在地 香川県丸亀市中津町25-1
問い合わせ先 0877-23-6326
営業時間 9:30~17:00(最終受付16:30) ※毎週水曜定休(祝日の場合は開館)
公式ページ http://www.bansyouen.com/

※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。