古代の謎にロマンを感じる男性を魅了!「真脇遺跡縄文館」での遺跡・展示見学

タスクと時間に追われ、慌ただしい毎日を過ごしている男性にとって、デイオフは心と体をリフレッシュできる貴重な日。自宅でゆっくり休むのもいいけれど、はるか昔にタイムスリップできる場所に足を延ばして、非日常的な時間を楽しむのはいかがでしょうか。

石川県鳳珠郡能登町にある真脇遺跡縄文館は、真脇遺跡から発掘された200以上の遺物を中心に、縄文時代の人たちが実際に使っていた土器や狩猟道具が展示されている博物館です。縄文ロマンに触れることで日常を忘れられるだけでなく、謎多き縄文時代の暮らしに知的好奇心がくすぐられ、有意義な時間が過ごせるはずです。

今回は、真脇遺跡縄文館の高田秀樹さんにインタビューを行い、真脇遺跡縄文館の見どころや楽しみ方をお伺いしました。

歴史好き男性の心をくすぐる!真脇遺跡縄文館の展示物

真脇遺跡縄文館の写真

真脇遺跡縄文館は真脇遺跡に暮らした縄文人の暮らしを紹介する博物館です。館内には保存状態のよい土器や仮面などが数多く展示されており、歴史好きな男性から支持を得ています。

また、施設内にある環状木柱列は写真映えバツグン、と人気。漫画の舞台にもなったため、聖地巡礼スポットとして多くの人が訪れています。

ここからは歴史好きはもちろん、写真好き、漫画好き男性にも注目されている真脇遺跡縄文館の魅力について、高田さんに詳しくお話を伺いましょう。

縄文人が4,000年間過ごした長期定住型遺跡。縄文時代の家「竪穴式住居」にも注目

編集部

真脇遺跡は縄文時代の前期初頭から晩期終末の、4,000年以上の長きにわたって繁栄した長期定住型遺跡だとお伺いしました。これは数ある遺跡の中でも比較的珍しいのではないでしょうか?

高田さん

少し専門的な話になるのですが、縄文人は定住生活を営んでいた、というのはすでに定説になっています。ちなみに、土器の研究では、年代の変遷を「土器型式」という単位で表します。土器の形や模様、粘土の材料など、同じ特徴を持つものを「型式」というひとつのグループにまとめたもので、1型式でおよそ100年の期間だと考えてください。土器型式で3型式ないし4型式くらい、つまり300~400年の期間同じ場所に住んでいれば、定住していたとみなされるんです。

真脇遺跡の場合、土器形式が実に23型式もあるんです。しかもすべての型式は徐々に形を変えながらきれいに繋がっています。このことから、真脇遺跡には4,000年間人々が生活を営んでいた、ということがわかります。これは全国的に見ても非常に珍しいですね。

編集部

2024年1月1日に起きた能登半島地震でも、真脇遺跡にある竪穴式住居は無事だった、というニュースを拝見しました。4,000年もの間同じところに定住できるくらい、住居もしっかりした造りだったのではないか?と推察します。真脇遺跡の住居の特徴を教えていただけますか?

高田さん

真脇遺跡にある竪穴式住居は屋根が土葺もしくは草葺で造られています。実は縄文時代の家って、柱がなくてあるのは外壁だけなんですよ。なので、もし屋根が石や瓦など重たいもので造られていると、地震が来たらあっという間につぶれてしまいます。しかし、縄文時代の上屋構造は非常に軽いので、多少の地震が来ても傷まなかったのではないか、と想像できます。

編集部

なるほど。確かに縄文時代に造られた2階建て、3階建ての住居は見かけないですね。

高田さん

もちろん、能登半島地震で被害が全くなかったわけではありません。上に乗せていた石が落下したり、屋根裏に収納していたものが落ちてきたりといった影響はあります。しかし、縄文時代の住居は地震が起きても建物が倒壊するほどのダメージは少ないのかもしれません。建築物が好きな男性は、竪穴式住居の構造に着目しながら見学していただければ面白いのではないでしょうか。

縄文時代に使われた狩りや釣りの道具が男性の狩猟本能を刺激する

編集部

真脇遺跡縄文館には、縄文人が狩りや漁に使用していた道具など、男性の狩猟本能をくすぐる展示物もたくさんありますよね。狩猟道具の見どころを教えていただけますか?

高田さん

「骨ぞく」と呼ばれる鹿の角やイノシシなど陸上の動物の骨で作られた槍先や矢じりの先、釣り針などが展示されています。あと、珍しいところでは、イルカを捕るための道具も展示されています。実は真脇遺跡から、大量のイルカの骨が発掘されたんです。このことから当時の人たちはイルカ漁を盛んに行っていたことがわかります。

真脇遺跡縄文館に展示されている骨ぞくの写真

▲骨ぞくはディテールまでしっかり観察してほしい

編集部

イルカの漁はどのように行われていたか、わかっているのでしょうか?

高田さん

真脇の海は少し沖まで出たら深くなるので、イルカが岸に寄りやすいんです。当時の人たちは、岸に近づいてきたイルカをみんなで囲い込んで湾の奥まで追い込み、銛や槍などを使って捕まえていたのではないか、と言われています。

発掘されたイルカの骨の写真

▲真脇遺跡からはとてもひとつの集落では消費しきれないほどのイルカの骨が発掘された

編集部

魚を捕るのに使う道具は見たことありますが、イルカを捕る道具は珍しいですよね。ちなみに、縄文時代の人たちは捕まえたイルカをどうやって食べていたのでしょうか?

高田さん

実はイルカの料理法はよく分かっていないんです。土器にこびりついたオコゲを分析すると、海に暮らしていた動物の脂が付着していることはわかったのですが、それがイルカの脂なのか、というところまでは解明されていません。なのでぜひ、道具や土器を見ながら「自分ならどんなふうに捕獲するか」「どうやって調理するか」と想像してほしいですね。

真脇遺跡縄文館に展示されている土器の写真

▲展示されている土器はどれも保存状態がよいのでじっくり観察したくなる

古代のロマンを感じたい男性に人気!謎多き復元環状木柱列

復元環状木柱列の写真

編集部

最近では真脇遺跡にある「復元環状木柱列」が写真スポットとして人気だそうですね。

高田さん

大木を半分に割って円形に建てて並べた環状木柱列を復元したものなんですが、アニメ化と実写化もされた漫画「君は放課後インソムニア」の舞台になったことで話題となりました。いわゆる聖地巡礼として、アニメ好きの方々にも多く来ていただけるようになったのは嬉しいですね。

編集部

聖地巡礼で来られた方が写真撮影をして帰られる、ということでしょうか

高田さん

そうですね、あとはSNS映えするスポットとして来て下さる方も多いですね。夜に星空と環状木柱列の写真を撮影して、SNSに投稿する方もいらっしゃいます。

編集部

環状木柱列で撮影すると何かいいことが起きるというジンクスがあったり、もしくは真脇遺跡そのものがパワースポットだったりするのでしょうか?

高田さん

そのような話は聞いたことはありませんが、環状木柱列は、現代人の我々が見ると、「なぜここにこんなものを作ったんだろう?」と思ってしまうんですよね。どのような意図があって、どんな風に作られたかが全く解明されていない。だからこそ、その秘密を知りたいと思うのではないでしょうか。特に男性は、パワースポットというよりもむしろ、古代の謎とロマンに魅了される方が多いのではないかと思います。

三本の木柱列の写真

▲誰が何の目的で作ったのか…色々考察しながら観察しよう

縄文時代のお祭りアイテムも展示!

鳥さん土器の遺物の写真

編集部

ほかに真脇遺跡縄文館で男性が興味を抱きそうな展示物はありますか?

高田さん

祭りに使われる道具をぜひご覧いただきたいですね。例えば館内には古代の祭りに使われた石棒が展示されているんですが、4,000~5,000年前は、男性の背丈くらいあるものを作っていたんです。しかし、時代と共に変化して、弥生時代に近い頃には随分と小さくなっているんです。

編集部

それは興味深いですね。小さくなった理由は何なんでしょうか?

高田さん

詳しくは解明されていないのですが、祭りの形態が変わったのではないか、と言われています。

編集部

なるほど。弥生時代には豊作祈願などでお祭りをされていた、と聞いたことがありますが、縄文時代のお祭りはどのようなものだったのでしょうか。

高田さん

それもまだよくわかっていないんです。ひとつの仮説として考えられるのは、同じ仲間やよそから手伝いに来る人とコミュニケーションを図るために開催されたのではないか、ということ。そう考えると祭りや祭りに使われる石棒は、精神的なつながりを深めるため非常に重要だったのではないか?と考えられます。

編集部

縄文時代はまだまだ解明されていないことが多いので、想像の余地というか、あれこれ自由に推察できる点が面白いですね。歴史好きの男性は特に、ほかの時代と照らし合わせながら「この遺跡にはこういう意味があるのかな」「この土器はこう使われていたのかな」と考えを巡らせて、有意義な時間が過ごせそうです。

高田さん

そうですね。縄文時代には正解がないからこそ、それぞれのイメージで見学していただきたいと思います。

縄文時代の生活を体験!真脇遺跡縄文館の「火起こし体験」

真脇遺跡体験村の写真

編集部

真脇遺跡縄文館で、男性が楽しめそうな体験はできますか?

高田さん

併設されている真脇遺跡体験村では、縄文時代の生活を体験できるイベントを開催しています。なかでも火起こし体験は、男性の方も多くチャレンジされていますね。

編集部

アウトドア好きの男性に、ぜひ挑戦してほしい体験ですね!

高田さん

そうですね。実は火起こしって結構重労働なんです。縄文時代は「ひきり錐」と「ひきり臼」という道具を使って火を起こしていたのですが、湿気があるとせいぜい煙が出るくらいで火は起こらないんです。それに時間も相当かかります。

今はアウトドアでも着火剤やライターなどで簡単に火を起こせますが、昔の人は火を起こすのも一苦労。だから、一度着いた火は消さずに、ずっと種火として残していたんです。こういう火起こしのルーツを体験してもらったり、火の大切さを体感してもらったりすれば、アウトドアで焚火をするときに、また違った思いが芽生えるかもしれませんね。

編集部

ある意味本当のアウトドア体験ができる、というわけですね。ぜひキャンプ好きの男性におすすめしたいです。火起こし体験はいつでも参加できますか?

高田さん

通年開催しておりますが、火起こしの道具をしっかり乾かしておくなどの準備をしておいた方が火が起きやすいので、できれば事前に体験希望のご連絡をいただければありがたいです。

編集部

せっかく体験するなら、しっかり火が起きるところを見たいですもんね。ほかに男性におすすめの体験はありますか?

高田さん

田植えや稲刈り体験も比較的男性の方が多く参加されます。こちらの体験は季節限定なので、開催日は事前にお問い合わせください。

真脇遺跡縄文館とあわせて訪れたい!周辺のおすすめスポット

編集部

真脇遺跡縄文館を訪れた男性が、行きや帰りに立ち寄れるおすすめのスポットはありますか?

高田さん

バイカーの人たちが立ち寄る「PEACE ライダーズマリンベース」が人気ですね。当館からバイクで10分ほどのところにある、古き良きアメリカを彷彿とさせる宿泊施設兼カフェです。カフェでは食事もできますよ。

公式サイト:PEACE ライダーズマリンベース

また、遺跡公園の中に、縄文真脇温泉「真脇ポーレポーレ」があります。日帰り入浴もできるので、毎日仕事に忙しい男性の方は、リフレッシュしていただけると思います。

公式サイト:縄文温泉の宿 真脇ポーレポーレ
※現在休館中

編集部

真脇遺跡縄文館で縄文時代に思いをはせて、カフェで食事をして最後に温泉。歴史の新たな発見とリフレッシュが同時に叶いそうですね。ところで能登町と言えば海景が美しい場所、というイメージですが、おすすめのビュースポットはありますか?

高田さん

真脇を少し西に行ったところにある「千畳敷ポケットパーク」がおすすめです。海がとても美しく見えるスポットです。

特に富山湾側から見る朝日と夕日がおすすめです。太陽が山の方から上がり、能登半島の付け根に沈んでいくんです。その姿を眺めながら、ぜひ縄文時代の暮らしや人々に思いを馳せてほしいですね。

参考:千畳敷ポケットパ―ク

編集部

縄文時代ってまだまだ解明されていない謎がたくさんあるんですね。歴史好きな男性はぜひ、真脇遺跡縄文館の展示品を見ながら縄文時代の生活や文化を色々考察してほしいです。高田さん、今日は貴重なお話をありがとうございました!

真脇遺跡縄文館の口コミ・感想

インターネット上には実際に真脇遺跡縄文館を訪れた人からの口コミや感想が多数寄せられています。いくつかピックアップしてご紹介しましょう。

縄文人に思いを馳せることができる素晴らしい場所です。

レプリカがほとんどなく、本物の遺物を見ることができる縄文時代を知るうえで貴重な場所

広々とした芝生の上に立つ復元環状木柱列が非日常を感じさせる。太古の生活を想像しながら散策できる。

状態のよい遺跡や遺物に感激した、という声や、縄文時代に思いを馳せられる、という声が多く見られました。自然豊かな場所に位置しているのでのんびりした時間を過ごせた、という人もいました。真脇遺跡縄文館はせわしない日常をしばし忘れてリフレッシュできる場所であることがわかります。

真脇遺跡縄文館の基本情報

所在地 〒927-0562
石川県鳳珠郡能登町字真脇48-100
アクセス 【車】
能登里山海道 能登空港ICから約40分
【電車】
のと鉄道七尾線 穴水駅→バス→真脇下車・徒歩5分
【高速バス】
JR金沢駅→真脇下車・徒歩5分
【能登空港】
能登空港→バス(ふるさとタクシー)→真脇下車:徒歩5分
営業時間 9:00〜17:00
※入館は16:30まで
休館日 月曜日・火曜日・年末年始
※ただし、月曜日・火曜日が祝日の場合はその翌日(GW期間中および8月は無休)
料金 大人:330円
小中学生・高校生:160円
電話番号 0768-62-4800
予約 不要 ※体験は予約要
公式HP http://www.mawakiiseki.jp/index.html