ストレスフルなビジネスマンへ。「高野山霊宝館」の神聖なエネルギーで心を整える

仕事でパフォーマンスを発揮するには、休日の過ごし方が大切です。日々仕事に追われて疲弊していると感じたら、神聖な空間で心を整えてみてはいかがでしょうか。

今回紹介するのは、日常とはかけ離れた浄い空気感をまとう和歌山県の「高野山霊宝館」です。弘法大師空海が開山した真言密教の聖地「高野山」の静寂と、荘厳な雰囲気漂う仏像・仏画の数々に心が洗われるでしょう。

仏像に興味のある男性はもちろん、ストレスフルなビジネスマンにもピッタリな癒しスポットです。大阪から車で約1時間半の場所にありながら、別世界のような穏やかな空間を体感できます。

高野山霊宝館に溢れる崇高なエネルギーで活力アップ

和歌山県にある高野山霊宝館の外観

▲厳かな雰囲気漂う高野山霊宝館。周囲は自然に囲まれ、四季の移ろいを感じられる

「高野山霊宝館」は、国宝や重要文化財に指定されている仏像・仏画などを収蔵している日本最古級の木造建築博物館です。国宝21件・重要文化財148件の貴重な作品に加え、未指定品を含めると収蔵品数は約10万点にも及びます。

さらに、高野山霊宝館は登録有形文化財に指定されていることからも、高野山の歴史を体感できる観光名所として国内外の参拝客が絶えません。

また、高野山霊宝館周辺は自然豊かで癒しを与えてくれます。GW前に咲き誇るシャクナゲの風景は、高野山で一二を争うほどの美しさです。新緑や紅葉など四季折々の風情を堪能できるとあり、リフレッシュに訪れる一人旅の男性やカップルの姿も少なくありません。

躍動感ある力強い仏像が多数常設!負の気を払ってパワーチャージ

和歌山県高野山霊宝館に展示されている快慶作の四天王

▲快慶作『四天王立像』。邪鬼を踏みつける姿や睨みつけるまなざしが勇ましい

高野山霊宝館の見どころは常設展示です。柔和な表情の仏像よりも人気の高い、筋肉隆々で躍動感溢れる仏像が常設で多く展示されている点は、高野山霊宝館ならではの魅力の一つと言えるでしょう。

展示されている仏像の中でも人気を集めるのが、鎌倉時代に活躍した仏師・快慶の作品です。邪鬼を退治する守護神『四天王立像』は写実的で、筋肉や筋の細やかな部分まで忠実に表現されています。

「四天王」とは、持国天(東)・増長天(西)・広目天(南)・多聞天(北)の総称であり、四方を護る四神です。インド仏教の世界観で中心的な聖山・須弥山(しゅみせん)に住む帝釈天に仕え、須弥山の門を守護します。

四天王の魅力と言えば、武器を手に持ち恐ろしい形相で邪鬼を威嚇する勇壮な姿。快慶作の四天王は、持国天は三叉鉾(さんさそう)、増長天は刀、広目天は巻子と筆、多聞天は宝塔と三叉鉾を手に持ちます。しかし、日本の四天王は持物が統一されていないため、他の仏師が創像した四天王と比較するのも楽しみの一つです。

彫刻技術や表現力の高さといった美的価値を堪能するのはもちろん、仏像が放つ力強いエネルギーを感じることで、仕事で溜まった疲れやネガティブな感情を取り除けるでしょう。

アート好きな男性の心もつかむ。時代を反映した約10万点の収蔵品

高野山霊宝館の本館放光閣に常設展示されている仏像

▲本館放光閣。「大日如来坐像・阿弥陀如来坐像・釈迦如来坐像」などが常設されている

高野山霊宝館には、平安時代から現代までそれぞれの時代を象徴する仏像・仏画が収蔵されています。

高野山は弘法大師空海が開山してから1,200年の歴史があり、過去には周囲に約2,000もの寺院がありました。それらの寺院で祀られていた仏像や仏画を保管・管理しているのが高野山霊宝館です。

そのため数が多く、常設の仏教美術品は、本館4カ所・新館2カ所の合計6カ所に分けて展示されています。

和歌山県にある高野山霊宝館の新館

▲「阿弥陀如来坐像」をはじめとする重要指定文化財が多数展示されている新館第一室

平安時代の彫刻で重要文化財に指定された「不動明王立像」や、鎌倉時代の「孔雀明王像」など、時代背景と文化を反映した作品の数々が鑑賞できるため、アートが好きな男性も楽しんで鑑賞できるでしょう。

一つひとつの作品をかみしめながら、歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

学芸員やお坊さんと一緒に巡るツアーで高野山の知識を深める

高野山霊宝館をより一層満喫するには、高野山に知見のある方の解説を聞きながら巡るのも良いでしょう。

高野山霊宝館では、4月より毎月21日に学芸員の解説を聞きながら回る「ミュージアムトーク」を開催しています。所要時間約1時間のツアーで、高野山の魅力や歴史をギュッと凝縮して教えてもらえます。

また、月に一度開催される、お坊さんの説法を聞きながら巡る「ミュージアム法話」も好評です。全国各所にある高野山真言宗のお寺のお坊さんによる説法は、学芸員の説明とは違った視点で文化財を鑑賞できます。どちらも拝観料のみで参加費はかかりません。

説法を聞いて真言密教に興味を持った方は、館内のミュージアムショップにてお土産を購入してみてはいかがでしょうか。風神・雷神のふせんなど、職場のコミュニケーションのネタになりそうな文具もありラインナップが豊富です。

和歌山県の高野山霊宝館内にあるミュージアムショップ

▲2023年にリニューアルオープンしたミュージアムショップ。御朱印帳や硯屏風の他、文具なども販売している

祈りや写経で心を整える。高野山霊宝館周辺は観光スポット多数

高野山霊宝館周辺には、高野山ならではの体験ができるスポットが多数あります。1日あれば体験を含めて各所を巡ることが可能です。

高野山全体は神聖な空気感が漂っていて、異空間にいるような感覚を覚える人は珍しくありません。五感で霊場のパワーを感じましょう。

信仰の中心「高野山奥之院御廟」。出世や健康を予祝しよう

高野山霊宝館を巡った後に足を運びたいのが、高野山の信仰の中心「高野山奥之院御廟」。弘法大師が入定している場所で、日本の仏教における聖地の一つとして知られています。

弘法大師は入定にあたり、「極楽浄土に往生して弥勒菩薩に仕えたのち、五十億余年後に下生する」と弟子たちに遺言したことから、高野山は弥勒菩薩が来生する場所の一つだと言われています。そのため、高野山奥之院御廟は古くより「日本の総菩提所」として、宗派に関わらず信仰を集めてきました。

一の橋から弘法大師が入定する御廟へと続く約2kmに渡る参道には、織田信長をはじめ、豊臣秀吉や伊達政宗など名だたる武将の墓碑や慰霊碑が20万基以上立ち並んでいます。この光景からも、武将たちもまた私たちのように、弥勒菩薩とともに下生する弘法大師を待ち望んでいると考えられるでしょう。

そして、仏を表す「真言」は願いを叶える言葉として、修行僧のみならず多くの人々に唱えられてきました。弘法大師へ願いを伝えることは高野山が霊場たるゆえんです。御廟前では手を合わせて出世の予祝をしてみてはいかがでしょうか。

公式:名所一覧 | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺

高野山のシンボル「根本大塔」。密教の世界観を可視化できる

高野山奥之院御廟と並ぶ有名な聖地が、壇上伽藍エリアにある「根本大塔」です。高さ48.5mに及ぶ朱塗りの大塔で、空海が造った日本初の多宝塔と言われ、高野山のシンボルになっています。

塔内は密教の世界観をイメージした曼荼羅を表現したと言われていて、本尊の大日如来をはじめ、金剛界四仏の如来像や十六大菩薩、密教を日本に伝えた祖師「八祖像」が祀られています。

公式:名所一覧 | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺

「総本山金剛峯寺」で写経や阿字観を体験。雑念を払いリフレッシュ

高野山ならではの体験をしたいなら、総本山金剛峯寺へ向かいましょう。瞑想効果のある写経や阿字観は、雑念を捨て去って気分をリフレッシュできます。

伝統的な精進料理や修行体験など、お寺の生活を体験できる宿坊もあります。また、「森セラピー」で神聖な大自然の匂いや木々の音を感じながら、自分と向き合ってみるのも良いでしょう。

公式:総本山金剛峯寺 | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺

高野山霊宝館に訪れた方の口コミ・評判

数多くの国宝や重要文化財が並ぶ館内は、厳かな空気感に包まれていて非日常を感じました。秋は紅葉も美しく心身ともにリフレッシュできました。

高野山霊宝館に展示されている孔雀明王を鑑賞している最中に、心が洗われる感覚を覚えました。仕事で溜め込んだストレスをリセットできた気がします。

繊細な彫刻や神々しい仏像の数々に魅力を感じながら、時間をかけゆっくり見学できます。歴史に詳しくなくても十分に楽しめるスポットです。

高野山霊宝館の周囲はコンビニや食堂程度で、普段の生活から離れることができます。静寂な雰囲気はまさに別世界。

両界曼荼羅図や孔雀明王などのダイナミックな仏像の数々に感動したとの声が多数聞かれました。また、新緑や紅葉などの景観が美しいことから、デートで訪れるカップルや夫婦も多い印象です。

高野山霊宝館の拝観料

拝観料 一般:1,300円
高校生・大学生:800円(※学生証要提示)
小学生・中学生:600円
割引 高野山・世界遺産きっぷ
 ※問い合わせ・発売は。南海電鉄窓口または南海国際旅行へ
スルッとKANSAI(2dayチケット・3dayチケット)
minapitaカード
 ※いずれも1,100円(200円引)

※2024年4月現在。最新の情報は公式サイトでご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

高野山霊宝館の基本情報

運営会社 公益財団法人 高野山文化財保存会
高野山霊宝館所在地 〒648-0211
和歌山県伊都郡高野町高野山306
問い合わせ先 0736-56-2254(電話)
営業時間 5月~10月:8:30~17:30
11月~4月:8:30~17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日 年末年始
アクセス 高野山駅からバスで15分
公式ページ https://www.reihokan.or.jp/

※2024年4月現在。最新の情報は公式サイトでご確認をお願いいたします。